腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱の改善、美容面など、女性に嬉しい効果が期待できる骨盤底筋体操の効果ややり方、効果を得やすくするコツをご紹介!効果を実感するまでには少し時間がかかりますが、いつでもどこでもできるため、毎日継続して行ってみましょう。

骨盤底筋体操の効果とは?

骨盤底筋体操とは、骨盤底筋という筋肉を鍛える体操のことです。

腕や足の筋肉のように、目で見て鍛えられているか認識できるものではないため、やってはみたもののいまいちどのような効果があるのかわからない人もいるのではないでしょうか。

ここでは、骨盤底筋体操の効果などについて詳しく解説します。

骨盤底筋とは

骨盤底筋とは
出典:尿漏れ、頻尿を自分で治す!4つの骨盤底トレーニング

骨盤底筋とは、骨盤の底部(底)にあるハンモック状の筋肉の総称です。筋肉の集まりであることから、「骨盤底筋群」とも呼ばれます。

骨盤内にある子宮や膀胱、直腸などの臓器を包み込むように支え、正しい位置に保ったり排尿や排便をコントロールしたりなど、重要な役割を担っています。

女性の場合、骨盤底筋やその周辺の靭帯が妊娠や出産によってゆるみやすく、その一部は一時的にもとの状態の約3倍にも引き伸ばされ、線維が傷ついてしまうことも。

出産後はある程度自然ともとに戻っていきますが、更年期や閉経に伴う女性ホルモンの減少によって筋肉が硬くなったり弱くなったりして、さらにゆるみやすくなります。

骨盤底筋体操の5つの効果とは?

骨盤底筋体操の5つの効果とは?

骨盤底筋がゆるむと、骨盤内の臓器を支えきれなくなったり、排尿のコントロールがうまくできずに尿漏れが起こったりなど、QOL(生活の質)を低下させるようなさまざまな不調が生じてしまいます。

これらの予防や改善には、「骨盤底筋体操」で骨盤底筋を鍛えるのがおすすめです。

では、骨盤底筋体操には具体的にどのような効果があるのでしょうか。ここでは、骨盤底筋体操の5つの効果について詳しく紹介します。

腹圧性尿失禁の予防・改善

骨盤底筋体操は、「腹圧性尿失禁」を予防・改善する効果が期待できます。

腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみ、重たいものをもち上げる、ジャンプをするなどお腹に強い力がかかるような動作をしたときに尿が漏れてしまう病気です。

尿道や膀胱、子宮などを支える骨盤底筋の機能低下によって、膀胱が下がって尿道を締めにくくなることで起こります。そのため、腹圧性尿失禁の予防や改善するには、骨盤底筋体操で骨盤底筋を鍛えることが重要なのです。

医療機関でも、腹圧性尿失禁に対して骨盤底筋体操を行うよう指導される場合もあります。

骨盤臓器脱の予防・改善

「骨盤臓器脱」も、骨盤底筋体操で予防・改善できる可能性があります。

骨盤臓器脱とは、骨盤底筋が出産や加齢などでゆるみ、膀胱や子宮、直腸などの臓器を支えきれなくなることで起こる女性特有の病気です。

初期の段階では膣から臓器の一部がたまに体外へ脱出する程度ですが、進行すると常に臓器の一部が体外に出た状態となり、歩きにくくなったり排尿や排便に障害が出たり、出血したりなどの症状が現れます。

しかし、普段から骨盤底筋体操でゆるんだ骨盤底筋を鍛えておくと、骨盤臓器脱が悪化することを防げるだけでなく、症状が軽度であれば自分で改善できる可能性もあります。

痩せているのにお腹だけがぽっこりと出ている場合は、骨盤底筋が弱くなって内臓を支えきれなくなっている可能性があるため、骨盤臓器脱が起こらないよう早めから骨盤底筋体操を行っておくとよいでしょう。

太りにくくなる

骨盤底筋体操は、腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱などの病気を予防・改善できるほか、筋力の向上によって太りにくくなる効果も期待できるため、年齢を重ねてお腹がぽっこり出てお尻が下がってきた、体重や体脂肪が増えたという人にも向いています。

骨盤底筋は「体幹深層筋群」というインナーマッスルのうちの一つです。インナーマッスルである骨盤底筋を鍛えることで、内臓を押し上げる力がアップしてスッキリとしたお腹とキュッと上がったお尻を目指すことができます。

また、骨盤底筋には瞬間的に筋肉を締める働きがある「速筋」と、筋肉を締め続ける働きがある「遅筋」の2種類が存在します。

遅筋には毛細血管が張り巡らされていて、酸素をたくさん取り込んでエネルギーを燃焼させる働きがあるため、骨盤底筋とその周辺のインナーマッスルをしっかりと鍛えることで、基礎代謝がアップして太りにくい体になる効果も期待できるでしょう。

睡眠の質の向上

骨盤底筋体操は、自律神経を整えて睡眠の質を向上させる効果も期待できます。

布団に入ってから寝付くまでに時間がかかる、目が冴えてしまって眠れないなどの場合は、自律神経の乱れによって体内時計が乱れて睡眠のリズムが崩れている可能性があります。

自律神経は内臓の働きや代謝、体温調整などの体のさまざまな機能をコントロールしているため、日頃から整えておくことが大切です。

夜寝る前に行えば、自律神経が整ってリラックスでき、質のよい睡眠が取れる可能性が高まります。

特に更年期によって自律神経の乱れが起こりやすい50歳前後の女性は、積極的に骨盤底筋体操を行いましょう。

性生活の充実

骨盤底筋体操は、性生活を充実させるためにも役立ちます。

骨盤底筋が弱まると、性交渉での快感が減少することがあります。しかし反対に骨盤底筋を鍛えれば、膣の締め付け力が増して自分だけでなくパートナーも快感を得やすくなる可能性があるのです。

また、40代以降、特に更年期になると起こりやすくなる性交痛も、骨盤底筋体操を行うことで解消できる可能性があります。

性交痛は女性ホルモンの低下により、膣粘膜が萎縮して弾力が低下したり潤いが失われたりして、摩擦が起こることで引き起こされる症状です。

性交痛は人に相談しにくく性交渉自体が苦痛になってしまうこともあるため、普段から積極的に骨盤底筋体操を行うようにしましょう。

骨盤底筋体操の効果はいつから感じられる?

骨盤底筋体操の効果は、開始してすぐに得られるわけではありません。

正しいやり方で行ったとしても、効果を実感し始めるまでには4週間程度かかり、3か月経つ頃にやっと効果が最大に達します。

せっかく始めてもなかなか効果を実感できないと嫌になってしまうかもしれませんが、正しいやり方で無理なくコツコツ続けることが大切です。

骨盤底筋体操のやり方

骨盤底筋体操のやり方

骨盤底筋体操はやり方自体は簡単ですが、目で見て確かめられるわけではないため、間違った筋肉を使っている人も多いのが現状です。

間違った筋肉を使ってしまうと、腹圧によって骨盤底筋が下がってゆるみに拍車をかけてしまう恐れもあります。(※)

しっかりと効果を実感するためにも、正しい骨盤底筋のやり方をマスターしましょう。

以下は、正しい骨盤底筋体操のやり方です。骨盤底筋体操はさまざまなやり方がありますが、今回は初心者におすすめの仰向けになって行う方法を紹介します。

  1. 仰向けに横になり、両足を肩幅くらいにひらいて両ひざを軽く立てる
  2. 尿道・肛門・膣をキュッと締めたりゆるめたりする動きを2〜3回繰り返す
  3. 尿道・肛門・膣をゆっくりぎゅうっと締めて3秒間キープし、ゆっくりとゆるめていく
  4. ゆっくり締めてゆっくりゆるめる動きを2〜3回繰り返す

慣れてきたら、少しずつ時間や回数を増やしていくとよいでしょう。ゆっくり閉めてゆっくりゆるめる動きだけでなく、素早く締めて素早くゆるめる動きも重要であるため、2つの動きをセットで行うことをおすすめします。

(※)後で述べますが、骨盤底筋を意識できるかどうかが大切です。変に“いきむような力”を入れないようにしましょう。骨盤底筋が動いているかあまり感じられない方や、筋肉の動きの弱い方の場合には、内臓の重みが骨盤底筋にかからない姿勢として、座位や立位ではなく、上記のように仰向けになって行うか、肘と膝をついた姿勢がよいでしょう。あるいは、後で紹介する骨盤底筋サポートショーツを使用すると、骨盤底筋の動きが感じられておすすめです。

骨盤底筋体操の効果を得やすくするコツ

骨盤底筋体操の効果を得やすくするコツ

骨盤底筋体操の効果は、始めてすぐに実感できるものではないため、なかなかお悩みを解消できないこともあります。

そのような場合は、骨盤底筋体操の効果を得やすくするコツを知り、効率的にトレーニングを行いましょう。

体重を落とす

太り気味の人は、骨盤底筋体操と並行して体重を落とすことでさらに効果を得やすくなります。

肥満は腹圧がかかりやすく腹圧性尿失禁になりやすいため、尿漏れ予防のためにも体重を落とすよう努めましょう。

食生活の改善などが自分ではうまくできない場合は、肥満外来などできちんと治療を受けるのもおすすめです。一人一人の体質に合わせた治療を行ってくれるため、無理なく痩せられる可能性があります。

毎日継続する

腕や足、腹筋など他の筋肉と同じように、骨盤底筋も1回鍛えたからといって急に強くなるわけではないため、毎日継続して行うことが大切です。

忙しいと骨盤底筋体操を行う時間を取ることが難しく感じるかもしれませんが、骨盤底筋体操はいつでもどこでもできるため、仕事中や家事をしているときに「ながら」でも行いましょう。

うまく日常生活に取り入れられれば、長く続けられます。

骨盤底筋を意識する

普段生活をしている中で「骨盤底筋はここにある」と意識することは少ないですが、骨盤底筋体操でお悩みを効率的に解消するには、骨盤底筋を意識しながら行うことが重要です。

骨盤底筋を正しく意識する方法としておすすめなのが、トイレでおしっこをするときに途中で尿を止める動きをすることです。途中で尿を止められれば、正しく骨盤底筋を収縮させられているといえます。

「おしっこは途中で止められるけれど、骨盤底筋が使えている実感がない」という場合は、サポートグッズを活用するのもよいでしょう。