コロナ禍を経て、日常が戻り明るい空気感に変わってきました。しかし、眠っても疲れがとれない、肩こりが続くなど、心身が張りつめている方が多いようです。そこで、リンパケアを提唱しているトレーナーの木村友泉さんに心と体をゆるめる方法を聞きました。

教えてくれた人:木村友泉(きむら・ゆうみ)さん

教えてくれた人:木村友泉(きむら・ゆうみ)さん

1959(昭和34)年、富山県生まれ。富山医科薬科大学(現・富山大学)薬学部卒業。「LHJ(ライフ&ヘルス ジョイ)」代表。リンパケアトレーナー、薬剤師としても活動し、リンパケアと漢方を掛け合わせた「美容漢方」も提案している。「ハルメク365」にもリンパケアの動画が多数。

“心と体は切り離せない”

ハルメク読者も含め多くの方々に、リンパケアを提唱している木村友泉さん。

「これまで多くの方と接してきて感じるのは、“心と体は切り離せない”ということ。心身をゆるめたいときも、心のどこかでラクになることに罪悪感があれば、一瞬で体に力が入ってしまう。自分を守るために、心の鎧は誰しも持っていていいのですが、重過ぎるなら軽くした方がいい。

人それぞれ、心身がゆるむポイントは違うので、今回紹介する方法から自分に合う方法を選んだり、オリジナルの方法にアレンジしたりしていただけたら、あなただけのオーダーメイドのリラックス法になります」と話します。

心と体をゆるめるには、五感を活用する

「まず、あなたが一番楽しかった記憶、リラックスする色や香り、ぬいぐるみなど柔らかいものを触った感覚を思い出してみましょう。そして、満足した気持ちになってから体にアプローチすると、ゆるめやすくなります」と木村さん。

とはいえ無意識に緊張している体から、力みをとるのは意外と難しいもの。

「そんなときは、ふとんの上などで横になり、思い切り体に 力を入れてから、ふーっと力を抜いてみてください(写真下)。これが、体から力が抜けた感覚です。

そして、顔や体に力が入っているな、と感じたときは、ふわふわのフェイスブラシで、顔や首をなでてみましょう。心地よく、緊張が解けていきます」

心と体をゆるめるには、五感を活用する

夜眠る前に、自分の体をいつくしむ

木村さんは、夜寝る前にひじやひざなどの関節、体の脇など「今日も一日、よくがんばったね」となでていつくしむことを習慣にしています。

「お腹が痛いとき、手を当てたら少しラクになったという経験はありませんか。やさしく触れることで、脳の伝達神経物質“オキシトシン”が分泌され、脈拍や血圧も安定し、幸福感が得られます。

いつでも自分を認め、安心させてあげる。張りつめた心身をゆるめて、眠りにつくことを習慣にしましょう」

フェイスブラシで、顔や首をなでるだけで脱力

フェイスブラシで、顔や首をなでるだけで脱力

心身が緊張しているとき、リンパの流れに沿って、顔の中心から外側へ、首は上から下へ、やさしくブラシでなでます。大きめなブラシだと力をかけ過ぎず、さっと広範囲をなでられます。

ひざなどの関節、肩や脇をなでて、ゆっくりいつくしむ

ひざなどの関節、肩や脇をなでて、ゆっくりいつくしむ

自分の体をなでてみると、「ここが凝っているな」などと小さな変化にも気付きやすくなります。日々、がんばっている体をねぎらうことを習慣にしましょう。

まず思い切り力を入れた方が、体の力を抜きやすい

体の力を抜きたいときは、横になって、思い切り力を入れて、脱力してみましょう。「一度力を入れた方が、体の力を抜きやすいのです。夜寝る前などにお試しください」

好きな色や香り、柔らかな触感、楽しい記憶を思い出す

好きな色や香り、柔らかな触感、楽しい記憶を思い出す

心和む色や香り、ぬいぐるみなど、五感を大切に。木村さんは、亀やエイなど、水の中を自由に泳ぐ動物が好きで、自宅に柔らかい触感のぬいぐるみを飾っています。
 

次回は、僧侶で看護師の玉置妙憂さん直伝の心をゆるめるコツを紹介します。


取材・文=野田有香(ハルメク編集部)、撮影=中西裕人

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年6月号を再編集しています。