どんなにスキンケアやおしゃれをがんばっていても、一発で老け見えするのが「ぽっこりお腹&猫背」。この2つをまとめて解消できたら……。ぽっこりお腹&猫背の原因を知って、どんな対策が有効か一緒に学びましょう。食習慣間違いチェックリストも必見!

偏った姿勢で体がゆがむと…

偏った姿勢による体のゆがみが原因の一つ

鍼灸師の福辻鋭記さんは、日常的に偏った姿勢で過ごし、体をゆがませてしまうことが、ぽっこりお腹と猫背の原因の一つだと指摘します。特に無意識に前かがみの姿勢になっている人が多いとのこと。

「重たい頭で前に引っ張られると、背骨がゆがみ、猫背に。さらに骨盤も後傾して内臓の位置が下がり、お腹がぽっこりします。骨のゆがみを正すことで、お腹も姿勢もすっきりします」(福辻さん)

腸が冷えることも原因として挙げられる

「腸が冷えると脂肪が付きやすくなり、体の中心を温めようと無意識で猫背の姿勢になります。体を温める食事で代謝を上げることが大切です」とは、管理栄養士の伊達友美さん。

腸が冷えることも原因として挙げられる

伊達さんによると、体の冷えを招く食べ方や飲み方があるので注意したいところ。例えば食物繊維の取り過ぎはNGです。

腸は水分の出入りが多い器官。そこに大量の食物繊維が送られて消化しきれず滞ると、水分がたまって冷えを招きます。

「小麦粉も要注意です。昔から小麦を食べてきた欧米人と異なり、日本人の多くは小麦の消化が苦手。大量に取ると体が冷え、お腹まわりに脂肪が付きます」(伊達さん)

また、水の飲み過ぎも冷えの元だそう。水分はもちろん大切ですが、水だけを大量に飲むと、胃腸が冷えてお腹が出る原因に。

「ご飯やお味噌汁など、水分量の多い和食を食べていれば、必然的に水分の摂取量も増えます。あとは、コップで2〜3杯の水を飲むくらいで十分です」(伊達さん)

あなたの食習慣、間違いチェック!    

他にも、一見正しい食事の考え方に実はお腹がぽっこりする原因があると伊達さんは言います。以下の項目をチェックして、当てはまる人は改善していきましょう。

  • 食物繊維や小麦の取り過ぎはNG。腸をむくませ冷えを招きます
  • 水の飲み過ぎは冷えの元。水分は料理で取りましょう
  • お米を食べずに糖質オフは間違い。定食で体を温め代謝を上げることが大切
  • 食事の時間を規則正しくする必要はなし。本当にお腹が空いたら食べましょう
  • 食事の前に「一杯の水」は消化が悪くなるので、「3回の深呼吸」がおすすめ
  • 肉や油を避けるのは間違い。タンパク質と脂質は体を守る上で大切です
  • おやつとお酒の我慢は禁物。「心の栄養」として食べたいもの、飲みたいものを
  • 「太る」と思いながら食べるとそうなります。食べるときは楽しんで!

体を整えれば今からでも改善できる!

体を整えれば今からでも改善できる!

伊達さんが指摘するように、食べ方や飲み方を改善する他、ストレッチで体のゆがみを正すことでもぽっこりお腹と猫背は解消します。

この特集(全8回)では、ゆがみを正す「ストレッチ」や「凝りほぐしのコツ」、さらには、ぽっこりお腹と猫背だけでなく体の不調も改善する「呼吸法」をご紹介していきます。元オリンピック体操女子日本代表のレジェンド(取材当時78歳)の美しさの秘訣にも迫りますよ。今から始めれば、年齢を重ねても、すっきりでいられるはず。

次回は、福辻さんがすすめる簡単なストレッチに読者4人が挑戦!みなさんお腹まわりや姿勢がすっきりし、大満足の結果になったので必見です!

教えてくれたのはこちらの2人

福辻鋭記さんプロフィール

福辻鋭記(ふくつじ・としき)さん 。アスカ鍼灸治療院院長。日中治療医学研究会会員。美容鍼灸の草分け的存在で、カイロプラクティック、整体なども取り入れた独自の治療法が評判。

伊達友美さんプロフィール

伊達友美(だて・ゆみ)さん。管理栄養士、ダイエットカウンセラー、日本抗加齢医学会認定指導士。メリハリのある体型を目指す食事カウンセリングを7000人以上に行う。

取材・文=野田有香、塚本由香(ともにハルメク編集部) イラストレーション=藤田ヒロコ
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年6月号を再編集、掲載しています。