働き方改革の影響か、はたまたコロナ禍がきっかけか。ダブルワークをしたり、自分の才能を開花させたり。様々な「夢」を実現させた人たちに、そのきっかけや想いなどを聞いてみました。今回は、縫いぐるみ作家・SOBOROさんにお話を伺いました。7月28日(水)発売 Hanako1199号「ときめくスイーツ大賞」よりお届けします。

『稼ぐということは“量より質”だと思う。』

誰をも虜にする、愛らしい表情と温もりあるボディ。縫いぐるみ作家、SOBOROさんの生活を支えるのは、彼女が生み出す“子供たち”。

この道に出会うまでは、アルバイト生活をしていた。「竹竿職人の両親に幼い頃から“自分の作ったものでお金を稼ぎなさい”と言われていて。でも何ができるのか、ずっと見えなかった。会社員が不向きなのは気づいてたけど(笑)」34歳のとき、アルバイトで稼いだ数万円を元手に、自作の縫いぐるみをSNSを通じて発信、販売。すると、驚くほどの反響があった。翌日にはバイトを辞め、作品の売り上げのみで生計を立てることを決意。SNSでの手応えが彼女の背中を押した。「起業家ではないので、助成金に頼ることは頭をよぎらなかったですね」

現在、販売価格は1体6万5000円。妥協しないためにかける時間を換算しているだけでなく、ドイツ製のウールやアルパカなど、使う素材のクオリティを追求するからこそ。値段にはきっちり裏付けがあるのだ。「作家として食べていく以上、作品の価値を上げていくことは命題です。この金額で売れないのなら、仕事として成立しないと覚悟をもって日々取り組んでいます」

SNSやweb上で月に一度の販売会「お迎え会」を開催。販売数は多くても月10体ほど。どれも1点ものゆえ、申し込みが複数の場合は抽選に。

制作工程の中で最も時間を費やすのが顔回り。歪みや形の変化に注目し、絵を描くように完成させていく。

右は近著『そぼろのふわもこ縫いぐるみチャーム』(文化出版局)

Profile…SOBORO(そぼろ)

東京藝術大学卒業、同大学院修了。その後は約10年間、アルバイトをしながら道を模索。2017年頃より今のスタイルに。Instagram:@sobokoara

(Hanako1199号掲載/photo : Jun Nakagawa, Yuji Hachiya, Yoichi Nagano text : Yoshie Chokki, Chihiro Kurimoto, Keiko Kodera)