フランス料理のコースを2,500円〜とお手頃価格で気軽に楽しめるグルメイベント『ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2021(以下、FRW2021)』が今年も2021年10月8日(金)〜10月31日(日)という過去最長の24日間にわたり開催中。今回は10月11日に行われたフォーカスシェフコラボレーションイベント『〜Rendez-vous〜(ランデブー)』を体験してきましたので、その様子をご紹介します。

〈セルリアンタワー東急ホテル〉で開催されたコラボレーションイベント。

『ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2021』のフォーカスシェフコラボレーションイベント『〜Rendez-vous〜』。
イベントが開催された〈セルリアンタワー東急ホテル〉39階の披露宴会場からは、羽田、東京湾岸エリア、横浜のパノラミックな景色が広がっていました。

今年で11年⽬を迎えるFRW。今年は全国550店舗以上のフランス料理店が参加し、各店舗にてランチ・ディナーともに2,500円/5,000円/8,000円というお得な価格でコース料理を楽しむことができます。

今年のFRWでは参加店舗の中から16人のフォーカスシェフを選出。さらにこのうち5名のフォーカスシェフが出演するダイニングセッション『〜Rendez-vous〜(ランデブー)』が都内3つのラグジュアリーホテルで開催されました。

今回は渋谷〈セルリアンタワー東急ホテル〉総料理長である福田順彦シェフと、本年度のフォーカスシェフに選ばれた鎌倉〈Fierté(フィエルテ)〉の山本悠太シェフによるダイニングセッションを体験させていただきました。

左から福田順彦シェフと山本悠太シェフ。年齢差を超え、互いを尊重し合うお二方の姿勢が印象的でした。

福田シェフは、フランス料理歴約40年のベテランシェフ。2001年、〈セルリアンタワー東急ホテル〉開業時に総料理長に就任以来、ホテルの食に関する総合プロデューサー役を務め2017年、一般社団法人「日本エスコフィエ協会」第7代会長に就任。2018年、「農事功労章―オフィシエ」に昇叙。2019年、東急ホテルズ総料理長に就任。厚生労働省より「卓越した技能者の表彰 “現代の名工” 」受章。2020年東急ホテルズ常務執行役員に就任したほか、2021年には「フランス農事功労章協会(MOMAJ)」第6代目会長に就任、同年、一般社団法人「全日本司厨士協会」卓越最高技術顧問章も受章。現在は、ホテル内に留まらず、日本のフランス料理界を牽引する存在として精力的に活動を続けています。

一方の山本シェフは、弱冠31歳という注目の若手シェフ。⾼校卒業後、⽇本橋⽔天宮〈ロイヤルパークホテル〉で4年間勤務し渡仏。マルセイユの⼀ツ星レストラン〈Une Table au Sud〉にて1年間修業。帰国後〈銀座レカン〉、茅ヶ崎〈La table de Toriumi(ラ・ターブル・ド・トリウミ)〉、外苑前〈Lʻorgueil(オルグイユ)〉と名だたるレストランで研鑽を積み、湘南界隈のレストランを経て2019年6⽉〈Fierté〉をオープンさせました。

FRW2021で提供されるメニューも!南仏料理を主軸としたシェフ2人のコラボレーションコース。

ダイニングセッション『〜Rendez-vous〜』のメニュー。

ダイニングセッション『〜Rendez-vous〜』は、2名のシェフが一緒にひとつのコースを創りあげる特別イベント。今回2名のシェフは「多様性」というテーマに沿って、またFRW2021全体テーマでもある「トレ・ボン!⽇本のテロワール」を意識し、各地⾃慢の和⾷材を取り⼊れたフランス料理を作り上げています。

ちなみに〈セルリアンタワー東急ホテル〉内にあるプロヴァンス料理店〈タワーズレストラン クーカーニョ〉で腕を振るう福田シェフと、マルセイユでの修業経験を持つ山本シェフのコラボレーションということで、コースは南仏料理が主軸になっていました。

海と山の幸の共演がお見事なアミューズたち。

左から「大阪湾鰯/キャビア/デュカ」と「椎茸/愛知県産無花果」。

最初に提供されたのは、山本シェフが手がけたアミューズ「大阪湾鰯/キャビア/デュカ」と「椎茸/愛知県産無花果」。山本シェフは自身のお店のメニューも、各料理に使⽤する⾷材と産地のみを記しており、今回もそれが踏襲されています。

「大阪湾鰯/キャビア/デュカ」は自家製フォカッチャに、ゴマやヘーゼルナッツなど複数のスパイスやナッツで仕上げる中東のシーズニングソルト・デュカと、ニンニクや卵黄などで作るマヨネーズのようなルイユソースを合わせ、そこにコリアンダーやタイムなどのスパイスで漬け込みバーナーで表面を炙った大阪湾産の鰯、そしてキャビアやマイクロセロリをトッピング。皮目が香ばしく中はレアな鰯に、キャビアの磯のうま味、デュカのスパイシーさやルイユソースのまろやかさが合わさり、シャンパンにぴったりの一品です。

「椎茸/愛知県産無花果」はキノコのサブレの上に生姜の香りを移した無花果のチャツネ(野菜や果物に香辛料を加えて漬けたり、煮込んだもの)を載せ、最後に焦がしバターのパウダーを振りかけています。こちらは思ったよりも甘いアミューズで、バターの芳醇な味わいの後に、キノコの豊かな味わいが口の中に広がる逸品でした。どちらも手に取っていただくフィンガーフードで、スパイス使いやプレゼンテーションに南仏らしさを感じます。

「鮪/マッシュルーム」。

続く2品目も山本シェフが手がけた温かいアミューズ「鮪/マッシュルーム」。本鮪の中トロを表面だけ炙り中はレアに仕上げ、粗く刻んだヘーゼルナッツやシブレットというハーブ、オリーブオイルをかけ、キノコのソースとオマール海老のソース、マッシュルームから抽出した泡のソースを添えています。付け合わせは、キノコのデュクセルを包み込んだキノコパウダーを練り込んだパスタ。アクセントに酸味のあるハーブ・レッドソレルも散らしてあります。

鮪は脂がしっかりとのっていて、ナイフがいらないくらい解けるような食感で下味もしっかりと感じます。「海と山の幸の共演をテーマにした」と山本シェフの言うとおり、鮪をキノコのソースとオマール海老のソースでいただくのは斬新。しかし、それぞれの力強い味わいを損なわないような調和が保たれているように感じました。

「赤ピーマンのファルシ フロマージュブランのエスプーマ ユズとバニラの香り」。
赤ピーマンの中にはヒエやアワなどの穀物が。

3品目は福田シェフが手がけた「赤ピーマンのファルシ フロマージュブランのエスプーマ ユズとバニラの香り」。スペインのバスク地方で親しまれている赤ピーマンのファルシ(詰め物)を、プロヴァンスらしく軽いソースや食材で仕上げた一品だそうです。「今回のコースでは一貫して香りを意識した料理に仕上げています」と福田シェフの言う通り、お皿が運ばれてきた瞬間からユズの良い香りが匂い立ってきました。

赤ピーマンの中には、アワやヒエなどの穀物が詰めてあり、ふわっとした口当たりのフロマージュブランのエスプーマを合わせています。添えてある白いバラの形をしたものは、イタリアで親しまれている豚の背脂を塩漬けにしたラルド。滋養強壮を目的に、古代ローマの戦士たちも口にしていたそうです。ラルドはファルシと一緒に食べることで、塩気やコクがプラスされ、お酒にあう料理になっていました。こういったイタリアの食文化を取り入れているのも、南仏らしいですね。

メインの魚料理は3度楽しめるブイヤベース!

目の前でブイヤベースを注いでいただく「開業より受け継がれてきた味 “ブイヤベース” セルリアンスタイル」。
白身魚は別添えで、モクモクと水蒸気が吹き出るお皿で提供されます。
まずはブイヤベースとお魚をそれぞれそのままで、その後バケットと一緒に、最後はブイヤベースとお魚を一緒に。

4品目は福田シェフが手がけた魚料理「開業より受け継がれてきた味 “ブイヤベース” セルリアンスタイル」。こちらは〈セルリアンタワー東急ホテル〉内にあるプロヴァンス料理店〈タワーズレストラン クーカーニョ〉でもFRW2021特別コースの中で提供している料理です。「今回のイベントでは生産者を大切にしながら、食品ロス削減にも取り組むことをモットーとしました」と冒頭で福田シェフが仰っていたのですが、こちらのブイヤベースはまさにそれが体現された一皿。岩手県・三陸国際ガストロノミーを介して仕入れた魚を、頭、エラ、骨に至るまで余すことなく使用し、トマトや玉ねぎ、ニンジンやセロリなどの野菜と共にすり潰し4〜5時間煮込んで仕上げています。

このブイヤベースは、チーズをトッピングしたバケットと、3種の蒸した白身魚と言う2皿仕立て。お皿がサーブされた後にバケットの方にブイヤベースが注がれ、白身魚の方は蓋を目の前で開けていただくと中から水蒸気がモクモクと立ち昇るというサプライズが待っていました。「まずはブイヤベースとお魚をそれぞれそのままで、その後バケットと一緒に、最後はブイヤベースとお魚を一緒に食べていただくことで、3度楽しめます」と福田シェフの言う通り、一風変わった楽しみ方も魅力的です。ブイヤベースはシンプルで優しい味付けながら、魚介のうま味が凝縮されていて、食べるほどに元気になりそうな味わい。プロヴァンスの郷土料理を個性的な演出で楽しめました。

肉料理はうま味が強いフランス・ブレス産のホロホロ鳥。

「フランス ブレス産ホロホロ鳥/トランペット茸/トリュフ」。

5品目は山本シェフが手がけたメインの肉料理「フランス ブレス産ホロホロ鳥/トランペット茸/トリュフ」。写真の左手前がホロホロ鳥の胸肉でトリュフと鶏のペーストを包み込んだ一品は、皮目はパリッと香ばしく、中はしっとりと仕上げています。

右手前はホロホロ鳥のコンフィでこちらも皮目は揚げ焼きのようにこんがりと火入れがされています。右奥の丸い形をしているのが、ホロホロ鳥のもも肉でオマール海老と鳥のミンチを包み込んだバロティーヌ。付け合わせはエノキタケの一種で、火入れをしてもシャキシャキとした食感が保たれる琥珀茸のソテーと、鎌倉産のムカゴと銀杏で秋らしさをプラス。これにトランペット茸のピューレ、胡椒をアクセントにきかせたホロホロ鳥の出汁ソースを合わせています。

ブレス産のホロホロ鳥は、しっかりとした味わいのソースにも負けないほど脂のうま味が力強く、弾力の良さもピカイチ。山本シェフの火入れも絶妙で、ホロホロ鳥の味わいを部位だけでなく、調理法の違いでも楽しむことができました。

キュートなバッグ型のスイーツも!

デザートは、福田シェフが手がけた「“ハンドバッグ” ライムのパルフェ フレッシュフランボワーズ果肉入りのソース」。有名ブランドバッグを模したクロコダイル柄のチョコレート細工は、フランス〈ヴァローナ〉のチョコレート。中のパルフェはクリーミーさとサクサクとした食感どちらも楽しめるようになっており、ライムの香りとフランボワーズの甘酸っぱさがアクセントになっています。

ちなみに乾杯酒のシャンパン「N.V. Perrier-Jouët」に始まり、デザートに合わせた「Cointreau」まで、それぞれの料理にはアルコールのペアリングも行われました。鮪には「Arctic Blue Gin」にグレープフルーツジュースを加えブルーベリーをトッピングしたカクテルを合わせたり、赤ピーマンのファルシには「獺祭 純米大吟醸 磨き 二割三部」を合わせたりと、斬新な組み合わせで新たなフランス料理の楽しみ方を知ることができました。

この期間だけの特別コースをお得にいただけるとあって、人気店は毎年予約がすぐに埋まってしまうFRW2021。ダイナースカードを持っていない人でもFRW2021の特別コースを予約することができますので、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか?

〈Fierté(フィエルテ)〉
神奈川県鎌倉市御成町2-14-2
0467-33-5105
12:00〜15:00(13:00LO)、18:00〜22:00(19:30LO)
水休(そのほか月に1回不定休)
FRW2021特別ランチコース5,000円、ディナーコース8,000円
〈Fierté〉FRW2021用サイト

〈タワーズレストラン クーカーニョ〉
東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル40F
03-3476-3404
11:30〜15:00(14:00LO)、17:30〜22:30(21:00LO)
無休
FRW2021特別ランチ、ディナーコースともに5,000円
〈タワーズレストラン クーカーニョ〉FRW2021用サイト※社会情勢により、営業時間、内容に変更の可能性あり。最新情報は公式ウェブサイトに掲載。