料理が嫌いなわけではではないけど、苦手な"あの作業"や億劫な"あの工程"を思うと、つい腰が重くなってしまう…。そんな読者が抱える料理の悩みを、作家・料理家の樋口直哉さんが課題別に解決します!
お悩み「1人暮らしの 狭いキッチン…。 だからやる気が 起こらない!」
Data of Hanako Lab.
Q・料理をする時に困っていることは?
作業スペースが足りない…36・8%
“できるもの”と“できないもの”を混同しない。
1人暮らしのキッチンで最優先すべきは、“狭くてもできる料理”。広いスペースが必要なメニューにチャレンジすると、途中でゲンナリするのは目に見えている(苦笑)。
だから作る前の段階で的確にジャッジしたい。例えばパスタでも「切る」作業にスペースがとられるという点では、ミートソースも本来は“できない”方のメニュー。
でも、今回のように香味野菜を使わずトマトジュースで代用すれば、“焼く”というワンアクションで完成できる料理に。
HOW TO COOK
香味野菜なし!クイックミートソース


〈 材料 〉1人分
合いびき肉…100〜125g
A[塩…小さじ1/4 砂糖…小さじ1/2 水…大さじ1/2]
にんにく(みじん切り)…1/2片
オリーブオイル…小さじ1
トマトジュース(無塩)…100㎖
小麦粉…大さじ1/2
粉チーズ…適量
ロングパスタ…100g
1.合いびき肉はパックの底に水気(ドリップ)が出ていればペーパーなどで拭き取っておく。Aを振りかけ、冷蔵庫で10分以上置く。

2.フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、中火にかける。にんにくが泡立ってきたら、1のひき肉を入れ、広げる。

3.中火のまま焼き続け、肉に焼き目がついたら、木べらで適当な大きさに分けて、裏返す。弱火に落としてさらに焼き、肉の脂が出てきたら、全体に小麦粉を振り入れて軽く混ぜる。

4.肉の裏側にも焦げ目がついたら、トマトジュースを加えて10分煮る。

5.電子レンジ調理器にパスタと水と塩(水に対して1%)を入れ、指定の時間(袋の表示+沸騰するまでの4〜5分)加熱する。水気を切って皿に盛り4をかけ、上に粉チーズを振る。

完成!
時間を有効活用するなら、ソース作りと同時にパスタを茹で始めてもOK。樋口さんのおすすめは、茹で時間の短い〈ディ・チェコ〉のフェデリーニ(1.4㎜)。

POINT
コンロ以外の熱源を活用することが肝。水から茹でると、でんぷんが希釈され、麺がくっつかない。
photo : Kiyuu Kobayashi text & edit : Yoshie Chokki
樋口直哉
ひぐち・なおや/服部栄養専門学校卒業後、フランス料理の道へ。2005年には小説家としてもデビュー。最新刊『もっとおいしく作れたら』(マガジンハウス新書)ほか、著書多数。
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