結婚、出産、転職など、Hanako世代の女性には人生の転機が訪れています。それに限らず、日々の生活で蓄積するココロの疲労やストレスは、常にケアしておきたいもの。そのヒントにすべく、12人の女性に、ココロが揺らいだ時の整え方を聞きました。嗅覚や触覚など、五感を刺激するアイテムを使って、癒しのルーティンを行っている人が多いようです。

case #1「産後のガルガル期は読書で鎮めました」

1歳の娘を育てるシナダさん。「出産と子育ては明らかに人生のターニングポイントでした。本来いちばんの味方であるはずの夫に対してそれまで一切湧いたことのない苛立ちや敵対心にも近い感情を持ち、そのコントロールに苦戦。『夫のトリセツ』などの本に救われました。産後も子供が寝静まったころを見計らっては読書を。読了後に爽快感や共感、安らぎをもらっています」

シナダユイ ナチュラルビューティハンター

地球に優しいモノを追う日々。HanakoWebのSDGsレポートでも発信している。

case #2「へこんでしまった深夜はパン作りでリカバー」

最新刊『飽きっぽいから、愛っぽい』(講談社)にも“笑えて泣ける”話満載の岸田さん。「『そうはならんやろ』な出来事ばっかり降りかかるので、大慌てで走り続けてはガックリとへこむ深夜があります。家族を起こして、寝ぼけながら無言でパンを焼くというのがうちに根づく謎の風習。もたもたする共同作業と、小麦のやわらかい匂いで、気づけば大丈夫になってます」

岸田奈美 作家

きしだ・なみ/作家。ベンチャー企業で10年にわたり広報部長を務めたのち独立。

case #3「非日常を体験できる外食で新鮮さを取り入れる」

「料理家として仕事をしているので、毎日食と向き合う日々が続きますが、私の作る料理は“暮らしの中の料理”。ある種どこかエンタメに近い外食とは、性質が異なるものだと考えています。日常から離れ、五感を研ぎ澄ませながら思いっきり外食を楽しむことでメリハリができて、また次の日から新鮮な気持ちで仕事に取り組むことができるのです」

長谷川あかり 料理家、管理栄養士

はせがわ・あかり/10代は子役タレントとして活動し、引退後は料理の道へ。

case #4「いつでもどこでもできる瞑想の呼吸法を」

「マインドフルネスに出逢ったのは、産後仕事に復帰し、5歳だった息子の子育てに追われていた10年前。呼吸法は、実践すると頭痛が消えるなど体に効くことを体感しました。移動中の新幹線でも、呼吸法で整えています。自然の中で座れる場所を見つけたら、そこで深呼吸。朝はベッドの中で今日一日をどう過ごすかをイメージし、笑顔で起き上がるようにしています」

髙城良子 タキアソシエイツ代表取締役

たき・よしこ/CA、きものドレスデザイナーを経て、ウェルビーイングを探求。

case #5「自分の本音に毎日耳を傾ける」

「フリーランスでさまざまな仕事を受け持っていると、初対面の方に会い、初めての現場・環境で働く日常。知らず知らずのうちに緊張感が続いてしまったり交感神経の方が優位になって、リラックスすることを忘れがちになったりしてしまいます。人と比べずに、自分の本音はなんなのか、自分と向き合う時間が大切です(今何が食べたいか、何が飲みたいかなどの解像度で)」

金原麗子 ピラティス・ヨガインストラクター

きんばら・れいこ/解剖学や根拠に基づいた、正しい体の使い方を伝えている。

case #6「いつもは悩まないことで落ち込んだら、運動で発散」

「特に年を重ねて、色々と思うようにいかない感じに、体力的にも精神的にも落ち込むことがあります。いつもだったらクヨクヨしないことでも、その時だけは気になったり。そんな時はひたすらポジティブなインストラクターとトレーニング。運動すると、全てが吹き飛びます。必ず帰り道の景色がキラキラに見えます!自分の手で自分を抱き締めてあげるのもいいですよ」

佐田真由美 モデル

さだ・まゆみ/ジュエリーブランド〈Enasoluna〉トータルディレクター。

text:Kahoko Nishimura

No. 1220

喫茶店に恋して。/道枝駿佑 (なにわ男子) 2023年04月27日 発売号

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