他の子どもと自分の子どもは、どこか様子が違うような気がする、もしかしたら障害があるのかもしれない、など子育て中のママなら気になったこともあるのではないでしょうか。
どうしても気になる場合、アスペルガーチェックをしてみるのも方法の1つです。今回は、アスペルガーチェックについて紹介していきます。
アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群とは発達障害の1つで、言葉や知的な発達に遅れが見られない点が自閉症とは異なる特徴です。しかしアスペルガー症候群も自閉症もその境界線が曖昧なため、広汎性発達障害を含めて現在では「自閉スペクトラム症」と呼ばれています。
アスペルガー症候群には、「こだわりが強い」「対人関係が上手く築けない」「コミュニケーションが苦手」などの特徴がありますが、人によっては高い知的能力を発揮することもあるのです。
ADHDとの違い
アスペルガー症候群とADHD(注意欠陥・多動性障害)は、よく混同されることがあります。しかし、この2つの障害はどちらも発達障害の1つではあるものの全く別の障害です。
ADHDとは、じっとすることが苦手、突然衝動的に行動する、また集中力がなく不注意な言動が多いという特徴が見られる障害のことをいいます。
一方、アスペルガー症候群は、対人関係やコミュニケーション能力に障害があるため、上手く他人と関係を築くことが困難です。そして変化を嫌い、特定のものなどへの興味やこだわりが強いことも特徴といえます。
大人になってわかることも
子どもの頃は、少し変わったところがあるくらいで何も問題なく過ごしてきても、社会人になり、なぜか自分だけが上手く仕事ができないことから、実は発達障害だったと診断されることもあります。
会社で仕事をする際に、「ミスが多い」「上手く計画通りに進められない」「こだわりが強くコミュニケーションが取りづらい」など、周りとの違いから分かることが多いようです。
アスペルガーの症状かをリストでチェック

ここからは、アスペルガーの症状なのかをリストを使ってチェックしていきましょう。しかし、あくまでも簡易的なセルフチェックですので、該当したから絶対にそうだとは言えません。
ハッキリとした診断は、専門の病院で判断してもらいましょう。
行動から見るリスト
まずは、行動からチェックしていきましょう。
- 急な変化にパニックを起こす
- ある特定のことがらやものに対してこだわりが強い
- 同じ動きやしぐさを繰り返す
- 場の空気が読めず、マイペース
人との関わりから見るリスト
次に、周りの人との関わりからチェックしてみましょう。
- 会話のやり取りが苦手で、一方的に自分の話ばかりする
- 他人に興味があまりないため、うまくコミュニケーションがとれない
- 話の裏が読めず、冗談が通じない
- 自己中心的な行動からトラブルが多い
生活の面から見るリスト
最後は、日常生活の中での過ごし方からチェックしていきましょう。
- 集団行動が苦手で、1人でいることを好む
- 特定の感覚が敏感で、過度に反応する
- 独自のマイルールがあり、毎日の行動をパターン化する
- 例えば、など、目の前にないものを想像することが苦手
アスペルガー症候群の子どもと大人の違いとは

アスペルガー症候群の子どもと大人の違いは、特にありません。子どもの頃の症状が変わらず、大人になってもそのまま続いています。
しかし、子どもの頃は周りのサポートのおかげで問題なく過ごせたことが、社会人になって初めて周りとの違和感から悩み、受診したことでアスペルガー症候群だと診断を受ける人もいるのです。
ただし、大人になった全員が生きづらさを感じるわけではありません。その人の個性に合った障害を感じることのない生活環境でなら、障害のない人と同じように暮らせるからです。
気になる症状は病院へ相談しよう

アスペルガーチェックに該当したからといって、必ずしもアスペルガー症候群だとは言い切れません。しかし早い段階でその子に合った療育をすることで、社会適応を高め、今後の困難を減らすことができます。
もしも気になる症状がある場合は、早めに病院や専門機関へ相談するようにしましょう。
監修者:林泉
経歴:
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得