北海道内にも、いよいよやってきた「お花見シーズン」。一方で「世代交代の時期」も近づいています。

札幌管区気象台 近藤光観測技術指導官
「札幌の桜の開花となります」

 先週、札幌までやってきた桜前線。そして、22日は、札幌の満開予想日です。

堀内大輝キャスター
「これはこれはもう、満開ですね、ほぼ、うわーきれい!」

 待ちに待ったサクラの季節。しかし…。

堀内大輝キャスター
「ここ円山公園では、花見の風物詩だったバーベキューが禁止となりました」

付近の住民
「ジンギスカンが食べられなくなるということで寂しいでしょう、きっと」

 「コロナ後」初のお花見シーズン。今年の桜をもうひとほりします。

堀内大輝キャスター
「こちらの新川の桜並木ですけども、けっこうこのあたり、ピンクになっています。咲いてる咲いてる。いいじゃないですか」

 やってきたのは…地域の人たちがつくり上げたサクラ並木です。

《■新川さくら並木 札幌・北区》
「札幌の名所の1つでもあります。今週の木曜日と金曜日、25日と26日にはライトアップもされるということで、そのころになると、ちょうど満開、見ごろを迎えているんじゃないでしょうか」

《■札幌・西区二十四軒》
「公園あります、公園、公園もかなり咲いている桜、きれいですね、こっち団地のこれ…これはこれはもう満開ですね。ほぼ、うわーきれい、ちょっとすごい、高さがあるので、迫力がありますね、桜の木の下で、こうやってすっぽり入ることができちゃう、すばらしい」

《■マルヤマベーグルLOOP 札幌・中央区》
「ちょっとみなさん、あれ見てください。花だと思ったでしょ?違うんです、クロワッサンベーグルの人気店なんです。桜にちなんだ期間限定メニューがどうやらあるということなので、ちょっと行ってみます。おーどうですか、きれいな桜の花びらが上に乗っています。
近くで花を見ながら食べてみましょう」

《■円山公園 札幌・中央区》
「札幌の円山公園にやってきました。ここも桜の名所の1つですよね、ちょっとまだ咲いていない木も多いかなーって感じはあるんですけども、この辺りなんていいですね、咲いていますね、日が当たる角度のほうは桜がかなり花が咲いていますね」
「ちょっと桜の木の下で先ほど買ったベーグルをいただきたいと思います、いただきます!桜の風味すごいですね、生地に桜が練りこまれているんですね、うわ、うま…」

 札幌市の円山公園といえば「お花見ジンギスカン」が風物詩。

 しかし、今年は、今週土曜27日から5月6日までの花見期間中も火気の使用は禁止です。

札幌市みどりの管理課 濵岡次郎課長
「円山公園で花見をされると、煙とそれからジンギスカンの“におい”というのがかなり園内に充満すると、去年の花見の時期にアンケートをとりまして火がなくても満足しますというのが半数近く回答したので、これまでのルールを守ってもらえないというのも含めて検討した結果、今年も火気を禁止すると」

札幌市民
「なくなるっていうのは寂しいかな。行儀が良ければいいのかなっていう…」

付近の住民
「匂いがすごいですからね、それにカラスがすごいんですよ。ない方がかえっていいなって」

 とはいえ、やっぱり「花見グルメ」も楽しみたい!という方は、こんな場所も。

堀内大輝キャスター
「バーベキューはできなくなりましたけども、公園内には、キッチンカ―がいくつも出店しています。週末になるとさらに台数が増えるそうなので、こちらで食べ物を調達して、公園でお花見を楽しむというのがいいのかもしれません」

札幌市みどりの管理課 濵岡次郎課長
「騒いだり、それから夜遅く声を出したりとか、それからトイレも所構わずしない、というようなルールを守ってもらって、煙のない・においのない円山公園の花見を楽しんでいただきたい」

 一方、桜について、気になるニュースも。

今野七海記者
「こちらの桜並木は老朽化で現在伐採作業が進められています」

 映像は、去年、青森で行われた桜の木の伐採の様子です。
 腐敗などで、倒木の危険が迫っているためでした。

 ソメイヨシノの寿命は、一般的に60年ほどといわれます。
 戦後復興の願いを込めて全国に植えられた桜の木が今、「高齢化問題」に直面しているのです。

 札幌でも、かつて、北海道神宮の境内にあったソメイヨシノの標本木が老木になり、花の数が少なくなったため、2012年、気象台にある桜に「世代交代」しています。

 こちらは北海道函館市の五稜郭公園です。
 園内のおよそ1500本の桜は、そのほとんどがソメイヨシノです。
 でも、木の高さが低いように見えます。

藤田忠士記者
「五稜郭公園の桜は、低い位置で観賞できるのが1つの特徴なんですけれども、それもそのはず…ご覧ください。同じ高さで幹が切られているんです、これはどういうことなんでしょう…?」

 もしや、桜の木を伐採?驚いた人から、問い合わせもあるといいます。

函館市住宅都市施設公社北部公園事務所 渡辺展崇所長
「五稜郭公園の桜が密植状態の桜が多かったので、約30年前になるが、大体、樹高(木の高さ)がものすごく高くなってしまって、管理をしやすいようにするために高さを切りそろえたと言われている」

 ことわざで「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」というように、当時としては思い切った決断でした。
 7年ほどかけて、切りそろえた結果、日光が当たりやすくなり、間近で花が楽しめる「現在の五稜郭の桜」に生まれ変わったのです。

 キレイな花を咲かせるソメイヨシノですが、その一方で「高齢化問題」が進んでいるのですね。
 ソメイヨシノの寿命は「一般的に60年」とも言われます。
 そのため、戦後一斉に植えられた木が今、「高齢化問題」に直面しているのです。

 ソメイヨシノって、病気にも弱いんです。
 ソメイヨシノは「でんぐ巣病」という病気に弱く、防除する薬もないため、代わりの品種を増やす、いわゆる「世代交代」の動きがすすんでいます。

 東京の神代植物公園に原木があることからジンダイアケボノという品種。
 全国に苗木を配布して桜の名所づくりを進める「日本花の会」は、2005年度から配布する苗をソメイヨシノからジンダイアケボノに切り替えました。

 花の色や形が似ているのが特徴で、既に7万本以上が配られています。
 道内には、まとまって植えられた所は、まだありませんが、近い将来、桜を代表する品種になっているかもしれません。

 見事に咲くサクラの花は、影の人々の努力を知ると一層、尊さを感じさせます。