臥薪嘗胆を貫き、史上最強の東海大菅生へ【後編】

 昨秋、都大会準優勝を果たしながらも惜しくもセンバツに漏れた東海大菅生は、臥薪嘗胆という言葉を刻みながら、取り組んできた。その言葉はベンチ内にあるホワイトボードに刻まれている。今回は夏の大会へ向けての課題を紹介したい。これは春の大会の結果にかかわらず、夏ヘ向けてこういうチーム作りをしていきたいんだというのを、注目していただければ幸いだ。

 目指せ夏の全国制覇 周到なチーム作りを進めた東海大菅生【前編】

最強のチームへ 夏の大会へ向けての課題

投手陣の柱・中村晃太朗

 夏へ向けて東海大菅生は引き続き、中村 晃太朗以外の投手陣の育成は変わりない。ここまで新倉寛之、藤井 翔の2人が活躍を見せているが、若林監督としてはこの春ではさらに厳しい場面、強い相手に投げて、結果を残してこそ起用できる選択肢が出てくる。そうなるとなおさらこの春では厳しい試合を潜り抜ける必要があるだろう。

 そして練習試合から見出していく方針は変わりない。
 「まだまだ投手がいて、ケガ明けの投手も戻ってくるので、そういう投手たちがしっかりと実力が発揮すれば、投手陣は揃ってくるのではないかと思います」とほかの投手陣たちに期待を込めている。

 また多くの野手の底上げが実感できた東海大菅生だが、若林監督は引き続き高いハードルを設けていく。
 「主力野手以外だと、打てるのはもちろんですが、1つのポジションだけではなく、複数ポジションをこなせないといけないですね。なぜかというとタイブレークの試合展開になったときや、甲子園にいった時、18人に絞られますし、守れないと厳しいですよね」



注目スラッガー・小山翔暉

 求めるは最強20人・18人になることだ。この春、主力野手以外の選手の活躍も光り、シーズン前の課題だった「全体の底上げ」はできており、十分にそういうチームになる可能性はある。

 さらに走塁面にも注文をつけており、仕上がりについては「例年より高い」と評価しているが、それを生かす三塁コーチャー・一塁コーチャーを鍛えている最中だという。
 「2017年の甲子園ベスト4にいった時は上林 昌義(東北福祉大)、深津 将志という素晴らしいコーチャーがいて、昨年は主将の坂本幹太がコーチャーを努めていたのですが、抜群に良かったです」

 チームメイトの実力を把握し、即座に判断できる三塁コーチャーにいれば、接戦に強くなる。若林監督は2017年夏の甲子園・準決勝の花咲徳栄戦で一塁走者の代走で出た上林が田中 幹也(亜細亜大)の遊ゴロ強襲安打から外野へ転々と転がっている間に上林が本塁へ生還したプレーについて、今でも鳥肌が立つプレーだという。

 「あれは上林の足だからこそ還れたプレー。でも上林で還れると判断したのは三塁コーチャーの深津だったんです。深津ではなかったら止めている当たりでしょう。その局面で上林の脚力が分かった上で、思い切った判断ができるまでに鍛えることができて良かったです。
 三塁コーチャーは本当に難しいポジションで、打球の判断、守備位置の判断、相手野手の肩、どういうふうにカットに入っているのか。そこまで判断しないといけません。なかなか難しいですね」

 東海大菅生が再び甲子園にいくには欠かせないピースである。


今年は甲子園に行かせなければならないチーム

石田隆成主将

 21日の準々決勝、昨夏以来に日大三と対戦する。昨夏は6対9で敗れた。先発マウンドに立った中村 晃太朗、マスクをかぶった小山 翔暉は誰よりも責任感を痛感していた。中村は相手打者に臆せず、気持ちで投げる重要性を再認識し、小山は相手打者の目線に立ってリードすることを見直した。

 この敗戦時、若林監督から「悔しい気持ちを発奮することが大事なんだよ」という言葉を忘れずに取り組んできた。
 今年はセンバツに惜しくも漏れた悔しさをバネに取り組んできた。主将の石田は「ずっと、そこで落ち込むのではなく、見返す気持ちでやっていこうということを言い続けました。発表後も本当にみんな練習してきましたし、一時期、僕は足をねんざしていてネット裏から紅白戦を見る機会はあったですけど、みんなすごい打球を打っていて、そういうところではないかなと」

 目指すは春季大会で圧倒的な内容で優勝することだ。日大三は井上 広輝、廣澤 優と剛腕2人を揃えるが、ひるむ様子はない。
 中村は「関東大会を目指していきたいと思います」と意気込む。



甲子園に向けてチームを仕上げていく

 関東大会が終わっても、夏では再び日大三、早稲田実業、国士舘といった強力なチームと再戦して甲子園を目指すことになる。若林監督は「本当に熾烈ですよね。だから面白いともいえます。

 今年のチームは『甲子園に行かせなければならないチーム』。そう思わせたのは2017年以来です。そう思うと、三高さんをはじめ、どこも強いですけど、それでも相手を気にしても仕方ないので、自分たちの野球を貫いてほしいなと思います」

 2017年、甲子園に行かせなければならないチームと感じたのは夏前。今回はオフシーズンの段階でそう感じていたのだから、チームの完成度、意識の高さには自信を持っているのだろう。注目の日大三高戦は今年の東海大菅生の行方、さらには東京都の高校野球を占う意味でも重要な一戦となるだろう。すべての試合を糧にして、この夏は史上最強の東海大菅生を作り上げて挑んでいく。

(文・河嶋 宗一)


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