攻撃的守備で奈良県No.1ショートへ!夏に活躍を誓う平田直也(橿原学院)【後編】

 前編では橿原学院主将・平田直也の高校野球の始まりと打撃について話を伺った。ここまでインタビューをしていると、非常に物静かな選手という印象を受けた。
 練習中に兄の和也トレーナーに話を聞くと、「背中で引っ張る奴で、チームメイトに対してあまり言えないので主将らしくはないですね(笑)」と話してくれた。だが同時に、「周りからは信頼をされていますし、何事にもストイックに取り組めるんですよね」と話す。
 たしかに平田選手の秘めたる闘志が垣間見られる瞬間がいくつかあった。さて、後編では苦労しながらも自信を持つようになった遊撃守備で取り組んだことは何だろうか。

 小技で磨き上げた打撃!平田直也(橿原学院)を支える線の意識【前編】

守備の核は反応

吠える平田直也選手

 武器は守備だと語る平田直也だが、入学当初は苦戦を強いられた。
 「入学当初は打球の速さに苦労しました。自分なりに中学の時より守備位置を下げて捕れる範囲を広げて対処しました。」

 しかし守備位置を下げたことで投げる距離が伸びた。平田は肩を強くすることに重点を置いたトレーニングを行うことでスローイングを強化した。

 そのおかげもあり、現在は遠投96メートルを投げる強肩を誇る。本人はまだ逆シングルからのスローイングに課題を感じているが、この冬でさらに強くなるだろう。

 そんな平田にとって守備で大事なことは何だろうか。平田が考える守備の核に迫ると、「上体を落とすためにも、股関節の柔軟性は大事だと思います。」
 小学校の頃、チームの監督から柔軟の大切さを問いただされたことをキッカケに、平田は柔軟性を磨いた。

 今では足が180度開くほどの柔軟性を誇るが、柔軟と同じだけ大事にしているのが反応だ。
 「守備範囲を広げるためにも、いかに打球への反応を良くするかだと思っています。なので、アップの時から反応を大事にした練習をしています。」

 橿原学院のアップを見ると、普通に手を叩くのを合図にスタートを切るダッシュとは違い、合図を出す選手の両手の指の数の合計によってスタートを切る。目や耳で情報を処理してスタートを切るようにしている。
 この練習を反応走と平田は呼ぶが、これが守備の一歩目の速さに繋がると捉えて毎日取り組んでいる。

 ではどうすれば一歩目の反応が速くなるのか。この問題を考え続けた平田は、1つの答えを見つけ出した。それが力を抜くことだった。

アグレッシブに守り、チームを引っ張る

前傾姿勢で中腰くらいの高さ、そして片足を前に出すのが平田直也の構え

 一歩目の速さにこだわる平田がたどり着いたのが「力を抜くこと」だった。
 「中学の頃は構えてしまうことで身体が固まってしまったので、足が動かなかった。その結果捕れる打球に足が合わなかったということがありました。なので、高校に入って1年の秋くらいから体の脱力を意識し始めました」

 では具体的にはどうしたのか。平田が工夫したのは立ち方だった。
 「体勢を低くしろとよく言われると思うのですが、僕は低くすると足が動かなくなる。なので、どちらかの足を前に出すことと、少しだけ前傾姿勢に構えています。中腰くらいが一番動きやすい構えだと感じていて、あとは片足を前に出すことによって一歩目の速さが変わりました。」

 日々の練習で研ぎ澄ました反応の速さ。そして創意工夫で見つけた一歩目の出し方。この2つの速さを平田が磨き続けるにはワケがある。それは攻める守備をモットーとしているからだ。

 「公式戦になると守りの守備になってしまうことが今でもありますが、絶対にいい結果には結びつかないと思っています。いい結果に繋げるためにも、普段から積極的な守備を意識しないと、試合では攻められないと思っています。」



セカンドでコンビを組む岸上准也選手

 セカンドでコンビを組む2年生の岸上准也も、「エラーをしてもいいから狙えるゲッツーは取りに行くような、常に前に出てプレイをする奴ですね」と語るほどだ。

 1年夏の大会からチームの中心にいる平田の経験が、アグレッシブな守備を確立した。そんな平田が参考にしているのが、福岡ソフトバンクホークスの今宮 健太だ。
 「小柄な選手にもかかわらず肩が強くてアグレッシブな守備。打撃面でもチームに貢献している選手だからです。たまに動画を見て捕球から送球の動作を参考にしています。」

 3番・ショートの平田はチームの主将でもある。谷車竜矢監督は、「1年生の時から存在感はありましたし、キャプテンを決める時も即決でした。私の中ではそれくらい力がありますし、視野も広い。そして人として良いですね」と語った。
 平田自身も指名されることは想定していたことで、あまり驚かなかったそうだ。



春に向けて更なるレベルアップを図る平田直也選手

 だが、チームが静まった時にどう盛り上げるかが大変だと主将としての苦労を語る。そんな平田に、最後に今後への意気込みを聞いた。
 「1年生から出させてもらっていて先輩からも期待してもらっていると思うので、この期間に(応えるために)どれだけパワーアップして春に挑めるかだと思っています。そこで勝てると夏につながると思うので、この時期を大切にして春を迎えたいと思います。」

 奈良県トップのショートといえば橿原学院の平田直也、と言われるほどの選手になればチームの初の甲子園も見えてくる。春、そして夏に爆発するための平田の第一歩は、既に切られている。

文=編集部


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