津田学園vs県立岐阜商

津田学園が守りの野球で県岐阜商に競り勝ち決勝進出

津田学園・前佑囲斗君

 岐阜県を代表する戦前からの名門校、県立岐阜商がユニフォームを一新して、チームイメージというかカラーそのものが一新された。OBで早稲田大から社会人野球の松下電器(現パナソニック)に進み、監督も経験しその後はNHKで高校野球解説なども務めた。その後に、熊本県の秀岳館を率いて、3季連続で甲子園ベスト4進出などの実績を残した鍛治舎巧監督が昨春に就任。徐々にチーム改革を進めていたが、目に見える部分としてはユニフォームも、かつての伝統のものから一新した。

 実は、県大会の段階でもアンダーシャツと帽子を変更していた。そして、今回の東海地区大会ではユニフォームの胸マークの色もストッキングも一新されて、ある意味では全く別のチームのような印象さえ与えるものとなった。

 その県立岐阜商に立ち向かう三重県1位の津田学園。この大会は3年連続出場を果たしているが、過去2年は初戦敗退で、今年は初戦で加藤学園を突破しての準決勝だ。
 「夏を戦っていく上では、連戦は覚悟しなくてはならないので、この大会で決勝まで行けば3連戦を戦える」ということで、佐川竜朗監督は決勝まで戦うことから逆算しての投手起用を考えていた。

 前日は最後の1イニングだけを投げたエースの前君が先発。前日の登板に関しては、組み合わせが決まった段階からこの日の先発を考えていた佐川監督が、どうするのかと本人に尋ねたところ、準備として投げたいということで「1イニングだけ行こう」と、決まったということである。

 これに対して、県立岐阜商もこの大会では1番を背負った田中颯君が先発。序盤は、お互いにテンポのいい投手戦という展開となった。

 先制したのは津田学園で4回、一死から3番藤井君が四球で出ると、続く松尾君が深いところへ落した左前打で一三塁。前川君の内野ゴロの間に三塁走者が帰った。

 しかし、さすがに県立岐阜商もしぶとく、5回まで3安打で前君の好投に二塁までも進めなかったが6回、一番からの打順で先頭の多和田君が死球で出ると、続く恒田君も右前打しバントで一死二三塁。ここで、4番佐々木君は敬遠気味の四球となったが満塁で、森君が右前打して2者か帰って逆転。それでも、その後を前君はしっかりと抑えて味方の反撃を待った。

 その裏すぐに、津田学園は2番からの攻撃で渡邊保育君が右前打し、藤井君も右線二塁打で二三塁。松尾君の犠飛ですぐに同点とすると、6番石川 史門君が右越三塁打してこれで逆転。実は、この日の朝はこの石川君と藤井君に、8番の小林世直君の3人だけが、前日やや不振だったので朝に打撃練習をしたという。その3人がいずれも長打を放っており、このあたり津田学園の今のチーム状態としては、問題解決能力というか修正力が高いと言っていいのではないだろうか。

 結局、このリードを前君が守り切った。
 圧巻だったのは8回で、一死から石川大心君に二塁打され、続く佐々木君にも左前打で一死二三塁となってから、後続を内野飛球と三振と、力で抑えていくところはしっかりと抑えていくという投球だった。

 前君の持ち味というか投球の上手さとしては、この日の投球は、140キロ以上のストレートを持ちながら、初球の入りから、むしろカーブとカットボールなどの変化球で入っていったところだ。このあたりは、捕手の阿萬田君の好リードもあろうが、県立岐阜商打線もストレートに振り負けないという意識で向ってきていたところに、上手にはぐらかしていく上手さも示したと言えよう。このあたりは、県立岐阜商の鍛治舎監督も、「真っ直ぐから入ってこない投球は見事だった」と評価していた。

 津田学園の佐川竜朗監督は、「正直、(県立岐阜商投手陣に対しては)あまり情報は入っていなかったんですよ。そういう中で、データを鵜呑みにするのではなく、対戦しながらどう対処していくのかということも経験出来たのはよかった」と、この日の戦い方について評価。ことに、試合運びとしても、「こういう高いレベルの相手に対して、失点を少なく、守り切っていかれる野球が出来たことは、非常に大きい」と、あくまでも夏を見据えていく中で、非常にいい経験が出来たことと、そのことが自信にもつながっていくということを実感していた。

(文・写真=手束 仁)


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