【健康長寿に役立つ高齢薬膳】しいたけ

 梅雨どきに気を付けたいのが「感染性胃腸炎」。気温や湿度が高く、細菌が増加しやすいため、細菌性の胃腸炎を引き起こしやすくなります。サルモネラ、病原性大腸菌、腸炎ビブリオなどの細菌が原因となって、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れ、数日から1週間程度続きます。

 悪化すると吐血や下血を生じる場合もあります。シニアの場合、脱水症状を起こしたり、吐いたものを誤嚥して肺炎になるリスクも高いため、とくに注意が必要です。

 まずは、そもそも細菌感染を防ぐことが大切です。手洗いをはじめ、調理の際には洗浄、加熱、熱湯による消毒を徹底して心がけましょう。もしも感染し発症してしまった場合は十分な水分補給を行い、安静を心がけたうえで食養生で回復を図りましょう。

 中医学では、細菌感染によって消化をつかさどる臓器「脾」がダメージを受けることで、表裏一体の関係にある「胃」に影響を及ぼし不調が起きると考えます。とりわけ梅雨は脾の働きが落ちる季節です。脾は湿気に弱く、高温多湿の地に住む日本人は脾がウイークポイント。そもそも、胃腸炎になりやすい季節なのです。

 症状改善のためには、脾を強化し、胃の消化能力を高める食材を取り入れることが大切です。おすすめはしいたけ。脾を強めて、胃腸の働きをよくして消化を助ける優れた効能があります。

 しいたけは、慢性的な胃の痛みがある人にもぜひ取り入れてもらいたい食材です。少し食べただけでもすぐに胃が重苦しくなる、しくしくと痛むなど胃痛が気になる場合は、人間のエネルギー源である「気」が不足しているために消化器系の働きが悪いことが原因です。しいたけは、気を補う優れた効果もあるのです。

 生命活動を維持する源である気を充実させることは、疲労回復、滋養強壮においても重要なこと。しいたけは、身体をエネルギーで見たし、免疫力アップの強い味方でもあるのです。長患いで体力が低下しているときにもおすすめです。

 胃がダメージを受けたときには、なにより消化をしやすい調理が重要。加熱はもちろん、食材は細かく切ることも心がけましょう。

 しいたけの感染性胃腸炎の症状改善効果を高めるためには、同じく脾と胃の機能を整えるナガイモと組み合わせるとよいでしょう。また、殺菌作用の高い青じそも併せて取り入れると効果的です。

■しいたけ高齢薬膳レシピ

しいたけとナガイモのしそ風味うどん

 脾の働きを高めて胃の不調を改善するしいたけとナガイモ、殺菌効果のある青じそを組み合わせたレシピ。細かく切ったしいたけは味がしみ込みやすく、青じその香りもよいので、しいたけがいまひとつ苦手という人も美味しくいただけます。

【材料】2人分
●しいたけ 4枚
●ナガイモ 8センチ
●青じそ 4枚
●うどん 2玉
●めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ3

【作り方】
 鍋に、水1/2カップ、めんつゆを入れて熱し、煮立ったら1センチ角程度に切ったしいたけ、ナガイモを加えて火を弱め、3分煮る。器に盛り、袋の表示通りゆでたうどんを入れ、千切りにした青じそをのせる。

(池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)