おいしそうなブロッコリーのサラダが写った1枚の写真。思わず箸を伸ばしたくなりますが、実はミニチュア作品です。ブロッコリーだけでなく、ゆで卵やベーコンも忠実に再現され、X(ツイッター)で3.4万件の“いいね”を集めています。いったいどのようにして作ったのでしょうか。制作者の田中智(@miniature_MH)さんに詳しいお話を伺いました。

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本物にしか見えない精巧さに驚き!

「ブロッコリーに近づいてご覧ください。とってもブロッコリーですよね?」

 そんなコメントとともに投稿された2枚の写真。1枚目にはミニチュアのサラダが2種類写っています。左がセロリのサラダ、右がブロッコリーのサラダです。四角い白い器に入ったサラダのミニチュアは、指先の第一関節までくらいの大きさ。器に入っている具材は、米粒よりも小さいサイズです。

 2枚目には、ブロッコリーのサラダを拡大した様子が。それを見ると、小さなつぼみの部分もはっきりと確認できます。ゆでて加熱したあとのブロッコリーを丁寧に再現し、グリーンがとても色鮮やかで、歯ごたえも良さそうです。一緒に和えているゆで卵やベーコンもおいしそう! ランダムにかかったコショウも、なんともリアルです。

 精巧なミニチュア作品には、3.4万件の“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「どうしたらこんなブロッコリーに!?」「地味に串切りゆで卵の黄身が寄っちゃって、白身が薄かったり厚かったりする場所があるのもすごい……」「とってもブロッコリーだしとってもおいしそう」「ため息もんです」「なんて繊細な作品……!!!」など、感動の声が続々と寄せられています。

こだわりは「粘土を小さく、おいしそうに作ること」

 ミニチュアアーティストとして活躍する田中さん。東京や大阪、オンライン上で、ミニチュア制作の教室を開講しています。

 田中さんの作品の特徴は、サイズの小ささ。作品全体は2〜3センチほどですが、そのなかにさらに小さな世界が広がっています。今回の作品も、小さな器の中に、さらに小さな具材がたくさん詰まっていました。

 ミニチュアの素材は粘土。まずは原型を作り、型取りをしてそれを複製し、着色して盛りつけるという流れで作成しているそう。ブロッコリーの最初の1個を作り上げるまでの時間は、5時間ほどだったといいます。

 作品のサイズが小さくなればなるほど、難易度は上がります。その分、得られるものは大きく、「完成したときの達成感や、みなさんのリアクションがうれしいので作っています」と田中さん。ミニチュアを作るときのこだわりは「粘土を小さく、おいしそうに作ること」と話します。

 もちろん食べることはできませんが、食材の香りや食感の良さが感じられそうなものばかり。どれも本当においしそうで、元になっている食材などに対するリスペクトも伝わってきます。

Hint-Pot編集部