大地震が発生した場合など、倒れて動けなくなってしまった傷病者を、安全な場所まで速やかに搬送する必要が出てくることがあるでしょう。しかし、意識を失った人の体は重く、持ち上げるだけでも困難です。尼崎市消防局は、公式インスタグラムアカウント(amagasaki.119.fd)で搬送方法を動画で紹介しています。

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倒れて動けなくなってしまった人を見つけたらどうする?

 動画には道端に横たわる男性が映っています。そこに駆けつけた男性が、後ろからさっと男性の上半身を持ち上げると、そのままずるずると引きずり始めました。これでは下半身が擦れてボロボロになってしまいそうです。運んでいた男性も、人差し指を左右に振って、違うのジェスチャーをします。

 さらに、倒れた人の体を丸太のようにコロコロと転がして運んだり、倒れた人の片手や衣服の首元を引っ張ったりと、次々と誤った動きをしていきます。知らなくて、焦る状況であれば、ついやってしまいがちにも見えます。

 いくつか紹介したあと、改めて正しい搬送方法を2つ紹介しました。

1つ目は、倒れた人を立ち上がらせて背負う方法です。
1. 傷病者の両足を揃えて膝を立てて抑える
2. お腹の前でクロスさせた傷病者の両手を引っ張って立ち上がり、立たせた傷病者をそのまま背負う

 2つ目は、背負い搬送と呼ばれる方法です。
1. 傷病者の左側に座り、傷病者の左足に自分の右足をクロスして乗せる
2. その上に傷病者の右足を乗せ、さらに自分の左足を乗せる
3. その状態で、傷病者の右腕を左手で持ち、横になる。自分の左側に向かって反転し、傷病者を背負いながら立ち上がる

 この動画には、約2000件の“いいね”が。コメント欄には、「すごい!! 普段の訓練の賜物だと思います!!」「見入ってしまいました」「なかなか見る機会もないので、すごく勉強になりました」「担ぎ上げる! かっこいい!」などの声が。

 一方で、「いざとなったらできる気がしない」「私でもできるのかな……(きっと無理)」「女性でもできますかね?」などの声も寄せられています。

 搬送方法にはさまざまあり、ケガや病気の状態に合わせて、適切な運び方は異なります。また、ひとりで傷病者を搬送することは、体に大きな負担となるため、協力者を探すことも大切でしょう。緊急時に備えて、役立てたいですね。

Hint-Pot編集部