画像は広島新庄の宇多村聡監督

 

広島新庄、3年ぶり5度目の夏の甲子園へ、初の決勝に臨んだ祇園北にも笑顔、第103回全国高校野球選手権広島大会

 

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高校野球広島大会決勝が8月1日、尾道しまなみ球場で行われた。春夏連続の甲子園を目指す広島新庄に、創部39年目で初めて決勝に進んだ祇園北が挑む構図となった大一番は12対0の大差で広島新庄に軍配が上がった。広島新庄は5年ぶり3度目の夏の甲子園。

 

2020年3月から指揮を執る宇多村聡監督にとっては、コロナ禍での昨夏の県独自大会を経て夏初挑戦。「素晴らしい頼もしい選手たちだなと、その一言ですね」(同監督)。3日の抽選会を経て夏の甲子園は9日に開幕する。

 

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90校86チームの頂点を目指す戦いは戦前の予想を覆す、広島新庄−祇園北の対戦になった。

 

ほかにベスト8に残ったのは市立呉、崇徳、広島広大高、瀬戸内、西条農、高陽東。“夏3連覇”を目指した広島商や、優勝候補の広陵、春の県大会準優勝の呉港は8強入りの壁に阻まれた。

 

そんな中、今春のセンバツで2試合を戦ったあと新チームになって無敗を続ける広島新庄は今大会も順調に勝ち上がり、準々決勝では瀬戸内に6−2で勝利。準決勝は延長12回、西条農に8−7でサヨナラ勝ちした。

 

対する祇園北は2回戦で春8強の山陽を延長十一回の末13₋11で撃破、3回戦で注目度抜群の武田に8−5で勝利。準決勝の市立呉戦も4−2のスコアで制した。6試合で計45得点、3度の逆転勝ち…


どんな展開になるのか…

 

内野席は応援する人たちでいっぱいになり、外野席も開放された中、注目の決勝はプレーボールと同時に勝敗のカギを握る場面を迎えた。

 

先攻めの祇園北は2本のヒットで二死一、三塁。五番黒瀬稜太のボールカウントが1−1となって一塁走者の森田雄紀がディレードスチールを仕掛けた。キャッチャーからの送球の間に三塁走者の貞吉泰成がホームを陥れるはずだったが、広島新庄の守備陣は焦ることなく挟殺プレーを遂行…。結果的に祇園北はこの試合、最初で最後の得点圏の走者を生かしきれなかった。

 

継投策で勝ち上がってきた祇園北の先発は唯一の2年生、左腕の岡森壮汰。リードするのは準決勝で負傷交代した横山皓己に替わる背番号7の黒瀬稜汰。

 

立ち上がりで3つの四球を出して押し出しで失点したあと、適時打2本などで計5点を失った。

 

祇園北は二回から右腕の青木翔吾をマウンドに送ったがこの回1点、四回に2点を失い0−8大量差となって試合の流れは広島新庄に大きく傾いた。

 

五回、勝負どころと見た祇園北はエースナンバーの山本優貴にスイッチしたが勢いづく広島新庄打線の前に後半の4イニングでも4点を失った。

 

初回のピンチをしのいだ広島新庄先発の西井拓大は二回、3連続空振り三振で勢いに乗った。右打者、左打者ともに外角球の出し入れで若いカウントから打ち取っていくスタイル。六回までひとりの走者も許さず、七回も振り逃げの走者を背負っただけだった。

 

そして広島新庄、八回のマウンドにはセンバツで2試合とも投げた秋山恭平が上がり、真っすぐ主体の力の投球で2イニングを1安打1四球。ラストの1球は四番森田雄紀のアウトローへ。真っすぐが決まって見逃し三振、ゲームセットとなった。

 

広島新庄のまとめ役、大可尭明主将は「3度目の甲子園、あそこにもう一度行けることはすごく幸せで嬉しいです。負けられないプレッシャーも正直あったんですけど、プレッシャーに打ち勝って優勝して甲子園に行けたので人一倍嬉しい気持ちです」とコメントした。

 

部の歴史を大きく塗り替えた祇園北の藤本伸也監督もやはりナインの健闘を称えて「笑顔で終わろう!」と呼びかけ、3週間の戦いの締め括りの閉会式で広島新庄とともに胸を張った。