画像はドイツZDFのオンエアから、スーパーでは「1966年のワールドカップの記憶が…」



 

ドイツ、スペインを撃破したSAMURAI BLUEと日本が世界中に注目される存在になった。

 

「世界の舞台で戦えることを示してくれたよ!」

 

1次リーグ最終戦の歓喜のピッチにできた円陣の中で森保一監督が叫んだ。

 

無敵艦隊撃沈につながる堂安律の一発と、やはり堂安律が起点となってネット上でほどなく「1ミリの奇跡」と呼ばれることになる、ゴールラインギリギリの三苫薫の折り返しを田中碧が押し込んだ2点目は、驚愕のシーンとして世界中の人々に迎えられた。しかもドイツ戦と同じく0−1で前半を折り返し、後半に再び交代選手が活躍して2得点…

 

だが公式会見でも森保一監督に海外メディアから質問が出たように「1ミリの奇跡」に関しては認めない、認めたくない側の人々から当然のように声が上がった。実際、その値はVRA判定の結果1・88ミリだったという。1・88ミリを三苫薫の左足を伸ばす動作時間にしたらどうなる???

 

中でも諦めきれないのがドイツ。1次リーグE組最終成績は1位の日本が勝ち点6で2位スペインと3位のドイツはともに勝ち点4。「1ミリ」ゴールがなければ日本の勝ち点は4で得失点差ゼロとなり、同時進行の末に4−2でコスタリカを下したドイツが得失点差+1で日本の上を行くことができた。

 

森保一監督が本番まで4年間を費やす中で言い続けてきた「ラインぎりぎりでチームのために体を投げだす献身性、日本人の良さ」がFIFAランキング11位のドイツに続いて7位のスペインも跳ね返した“だけ”の話ではあるが、そんなことを海外メディアが知る由もない。英国メディア「タイムズ」は 「The ball stays in…Germany crash out」のヘッドラインで「そのゴールがドイツをワールドカップから押し出した」と報じた。

 

260・5万フォロワーを抱えるTwitter「Out Of Context Football」は、「1ミリの奇跡」を日本国旗の日の丸をボールにして縦線1本を入れた画像を投稿した。センスあり過ぎ…

 

まったく笑えないのがドイツで、夜ニュースの時間帯に衝撃の自国敗退の知らせが届くとすぐに大騒ぎになった。ZDF(第2ドイツテレビ)では“1ミリの悲劇”を延々と解説。それはどイツ国民にとってはまさに思い出したくない“悪夢”…

 

ZDF番組内では、1966年イングランド大会決勝を引き合いに出し、ウェンブリースタジアムでイングランド相手に2−2で延長戦に突入した西ドイツが疑惑のゴールに沈んだ「歴史」に「1ミリ」を重ねた。

 

イングランドのジェフ・ハーストが放った3点目はクロスバーの下側に当たり地面で跳ね返ったところを西ドイツのディフェンダーがクリア。主審はゴールラインを越えたかどうか確認できず、線審がゴールだった判定した。ラインを越えているか、否かは同じでも、ドイツにとっては今回のケースとは逆パターン…

 

この話は両国の間ではエンドレスのようで、1995年にはオックスフォード大学の研究者が、当時の最新コンピューター解析により、ボールは線上にあり、得点は認められるべきではなかったと発表した。

 

2016年には、ドイツを代表するメディアのビルトが、イギリスに向け欧州連合残留への最後の呼び掛けとして、もし「残留」を決めた場合にはあの時のイングランドの疑惑のゴールについて、ゴールとして認めることを約束した。

 

1966年にはVARはもちろん、スロー再生も存在しないので確かなことは分からない。だがワールドカップ史上最も細部にこだわって日本が準備してきたであろうことは「世界の舞台」で証明できた。

 

そして1968年生まれ、長崎・広島育ちの森保一監督はクロアチア戦に向け「勝つ確率を数パーセントでも、はい、1パーセントでも2パーセントでも上げられるようにしっかり準備することが必要かな、と思っています」と、またしても「1」にこだわる発言をさらっとした残したのである。

 

さすがは我らがポイチ…

(ひろスポ!W杯取材班&平岡誠治・田辺一球)

W杯カタール大会取材協力:たきのぼり不動産(広島市中区八丁堀12-15)