画像は森保一監督の笑顔、確かにすごく「いい人」そう…

 

W杯サッカーカタール2022第18日 決勝トーナメント準々決勝(12月9日、エデュケーションスタジアム)

クロアチア対ブラジル(日本時間10日午前0時キックオフ)

 

 

ベスト4を懸けたクロアチアーブラジルの一戦はクロアチアが押し気味の展開となりスコアレスのまま延長戦に突入、ネイマールの得点でブラジルが先制するも、クロアチアはブルーノ・ペトコヴィッチのゴールで同点に追いつき1−1のままPK戦へ…。

 

 

要するに日本がベスト8を懸けクロアチアと対戦した時と同じ流れになった。

 

 

で、結果もまたいっしょ…ブラジルは一人目のキッカー、ロドリゴが止められた。一人目が止められたチームはこの大会、その時点で敗退の運命から逃れることはできない。

 

「日本戦が僕たちに自信を与えてくれてた」(クロアチア主将モドリッチ)

 

クロアチアは2試合連続PK勝ち!さっそくSNSでは 「ドイツとスペイン相手に勝利してブラジル相手に1−1でPK戦まで戦ったクロアチア相手に1−1でPK戦まで行ったから実質日本は世界最強」 など、当然と言えば当然の声が飛び交った。

 

 

その“日本ベスト4”の知らせよりおよそ5時間半前、森保一監督はNHK「ニュースウォッチ9」に生出演した。

 

 

絶妙のタイミングで出演にこぎ着けたNHKはさすがだった。だが、スタジオ展開の構成、演出が生煮えのまま本番を迎えた感ありあり、だったことはこの場で指摘しておきたい。ただ、それでも、その人なりはかなり引き出せていたように見えた。

 

 

その冒頭で山内泉キャスターが“お約束”のメモについて話を振り、森保一監督は「字が走り書きなんですが、上の方はクロアチア戦の前に、日本に不可能なことないと、チームとサポーター、そして日本の国民のみなさんと一丸になって戦えば我々は世界で勝っていけるっていう思いを持って、クロアチア戦に臨もうと思いました」と補足しながら内ポケットから取り出したメモのページをカメラに向けた。

 

カメラがズームインして浮かび上がってきた文字は…

 

 

日本に不可能はないJAPAN

IMPSSBLE

IS

NOTHING

日本人であること
喜び 誇り

幸せに包まれる

 

 

…走り書きだからスペルも一部省略されているが、これは選手に伝えるためではなく自分の気持ちと向き合うためだったという。

 

 

ひろスポ!取材班が何度かNHKに「降板」の申し出を行ったことがある!田中正良キャスターが「同じ50代としてお伺いしたいのですが、今のクールな若い世代をまとめて一体感を作り出す工夫は?」と尋ねた際の返答にも興味深いものがあった。

 

 

「工夫ということはないですけど、やはり世代間の考え方のギャップは生きてきた過程が違うので環境が違うので、価値観を認め合う、私からすれば価値観を認めるということと、若い選手の価値観を教えてもらう、という自分で気を付けているところです」

 

 

「私がやってきたことをもちろんチームに戦い方として伝えることはありますけど、考え方のギャップであったり伝わらないことがあるので、むしろ私が今の若い子たちの時代に合わせてということを考えます。時代の変化のスピードがすごく早いので、自分が正解だと思ってたらそうじゃないなと思うことがすごく多いので、であるならば、今正解は選手たちの年代なのでそちらに自分が合わせて、1回受け取って、でチームとして必要なフィードバックができるようにとは考えてます。でも若い人たちできるし、すごいんですね」

 

 

こういう時はトークをさらに深めたいところ。しかしスタジオ展開のための時間は短い。青井実キャスター(この番組の男性キャスターは青井さんだけで良くない?)が「普段温厚でいらっしゃるんですけども、こういったシーンがあったんですね」とこれまたお約束のコスタリカ戦ハーフタイムの森保一監督ブチ切れシーンにつないだ。

 

 

最後に「協会から続投の要請があった場合には?」の問いかけに森保一監督は「そうですね、監督業はいずれにしても続けていきたいとは思っているので、もちろんもしあれば前向きに考えていきたいと思っています」と応え「この経験をどう生かす?」と聞かれると「ベスト16の壁は敗れなくて悔しい思いはありますけど、サッカーが国民のみなさんに喜んでいただけるひとつのコンテンツとして認めていただけた部分もあると思いますので、サッカーファミリーの一員としてまた国民のみなさんに喜んでいただけるようなことはやっていきないなと…」と締めた。

 

 

代表監督続投か否か?1次リーグ期間中からスポーツ紙ほかが早い者勝ち、とばかりにいろいろな報道を繰り返してきたが、けっきょく「森保監督続投決定!」の見出しが遅かれ早かれ打たれるという、既定路線通りの落ちになった。

……

 

 

サンフレッチェ広島の監督を2017年7月3日に解任(辞任発表は4日)された森保一監督は、FC東京などへの「就職活動」(本人談)を続ける中、10月12日に五輪代表監督に就任。サンフレッチェ広島に別れを告げてから1年目の7月2日、 「ロストフの14秒」のピッチに代表コーチとして立ち合い、7月26日には五輪代表監督兼任の日本代表監督に就任した。

 

 

以来、メモに綴られていた「日本人であること」の「可能性」「喜び」「誇り」という3要素を自身の生い立ちの中で育んできた「野心」に重ね合わせ、今回の26人のメンバーと、とうとう世界ランキング1位のブラジルと“PK戦をする”までになったのである。

 

ただ、青井実キャスターの「普段、温厚でいらっしゃるんですけども…」はまさにそうで、「森保」とくれば「いい人」というのが多くの日本国民のイメージになりつつあるので、ひろスポ!はあえてそうではない、と釘を刺しておきたい。

 

ただの「いい人」がこんなタフな世界でやっていけるはずもないのである。(この項つづく)

(ひろスポ!W杯取材班&田辺一球)