画像奥は新井監督、手前は朝山打撃コーチ

 

7月3日  ●1−2阪神(マツダスタジアム)
阪神 010 001 000・2
広島 000 010 000・1

広島通算72試合37勝31敗4分け(首位キープ、2位阪神に2差)
18時開始・2時間52分、27,349人
相手先発 〇大竹7回2安打1失点
広島本塁打 −
阪神本塁打 佐藤輝4号ソロ、5号ソロ
広島登録抹消 −

広島スタメン
一番センター秋山
二番ライト野間
三番レフト上本
四番サード小園
五番キャッチャー石原
六番セカンド菊池
七番ショート矢野
八番ファースト中村健
九番ピッチャー●九里(13試合4勝5敗)6回103球8安打2失点(自責2)
ハーン
黒原
森浦

 

まだ十分に青さの残るマツダスタジアム上空を佐藤輝の4号ソロがライトスタンドへと伸びていった。

 

直近5試合で4勝と猛烈な巻き返しを続けている。打った本人も驚く?4月21日以来の一発は「久しぶり過ぎ」の感触だった。

 

五回、佐藤輝は菊池の強烈な打球をよくグラブに入れたが一塁へ悪送球。二死二塁となって続く矢野の一塁線突破の三塁打で試合は振り出しに戻った。

 

そして直後の六回、四球の第2打席を挟み佐藤輝の第3打席。今度はわずかに明るさの残る空に放物線を描いた打球がレフトスタンド最前列に飛び込み、これが結果的には決勝点になった。

 

打たれた九里は言葉にはしなくとも、気づいているはずだ。6回2失点でも5敗目やむなし…己の責任重大だと…打たれた九里は言葉にはしなくとも、気づいているはずだ。6回2失点でも5敗目やむなし…己の責任重大だと…悔やむべきは2本目。先頭の前川に右前打され大山でゲッツー。誰もが”一発警戒”を意識する場面。歩かせてもいいぐらいだったのに、よりによってボールカウント2−1から相手が得意とする腕の伸びきるアウトローへ変化球を投じるとは…



 

開幕投手を務めながら7戦目まで勝ちがつかなかったのは、その間に1試合2発被弾2度を含む5本の柵越えを許したから。そして直近5試合で4勝の荒稼ぎはその間、被弾ゼロだったから…

 

投げ合う相手は味方打線の天敵・大竹だから1点でも与えた時点でもう後がない。せっかく追いついてもらった直後の失点はその瞬間でもう”負け”なのである。

 

それにしても…

 

今回もまた大竹に7回1失点で勝ちをプレセントした訳だが、これで昨季と合わせて10度対戦して8勝を献上と極端なワンサイドになっている。

 

スタンドを何度も沸かせたのが、以前からもちょくちょく披露していた”キャッチボール投法”。二回、初の五番に入った石原の2球目に78キロの山なり球を投じて3球目でライトフライ。四回には野間、上本が相次いで70キロ台のあとの3球目を打って三ゴロ、一ゴロ。七回になっても結果は同じで86キロのあとの3球目で小園は二ゴロだった。

 

打てない責任をすべてかぶるのが新井流だが、前夜の延長十回敗戦に続く惜敗は、ボディブローとなってチーム全体にマイナスの影響を及ぼさないか?

 

梅雨時のグラウンドは体力を余分に消耗させ、野手陣のバットスピードがこの先、急激に上がることは期待できない。

 

低出力のオフェンスを投手力、ディフェンス力でカバーして、72試合を戦い貯金6の首位でレギュラーシーズン折り返しに成功した。ここからいかに踏ん張るか。けっきょくそれはベンチ入りしてるメンバーの個々の力量をいかに最大限まで引き出すか、にかかっている。(ひろスポ!取材班&田辺一球)