9人組グローバルグループ・&TEAM(エンティーム)のインタビュー企画第4弾はNICHOLAS(21)。発売初週で45万枚をセールスした初シングル「五月雨(Samidare)」については「歌詞の美しさを感じてほしい」と目を細めた。7月からスタートするアリーナツアーには「前回のツアー経験を生かして、カッコいい姿を見せたい」とも。アーティストデビューを目指して台湾から韓国に渡り「I―LAND」に挑戦するも落選。当時の心境やメンバーへの思い、大好きなファッションの話も聞いた。

 8日に発売されてヒット中の新曲には、ニコの特別な思いが詰まっている。

 「&TEAMにはパワフルなパフォーマンスをするイメージがあると思うんですが、今回の曲はそんなイメージとは違っています。初めてデモテープを聴いた時に感じたんです。すごく美しくて柔らかさも入っていて、今の季節に合う曲だなって。でも、レコーディングは苦労しました。僕の声はちょっと低い方で、この曲のような柔らかさを出す歌い方はあんまり得意じゃないので…。そこで歌詞の意味を理解するため勉強しました。そうすると、自分でも感動しちゃったぐらい良くなってました。歌詞がとても美しいので、皆さんにも注目してほしいです」

 7月からのアリーナツアーでは、以前よりもパワーアップした姿が見られそうだ。

 「前回ツアーでライブをやるごとに『もっと大きな会場でできたらいいな』って思っていました。僕らは大きな会場でのイベント経験もあって、会場が大きくなるとファンの方と同じように僕たちのエナジーが変わるのも体験しました。大きな場所でルネの皆さんと一緒に盛り上がりたかったし、ツアーで頂いた経験を生かしてカッコいい、大人っぽい&TEAMの姿をお見せしたいです」

 この世界に入るきっかけはバドミントンをやめて、高校入学後にダンスと出会ったことだった。

 「小学生から中学までバドミントンをやっていましたが、プライドの高い僕は『トップに行けないと思った瞬間、これからは勉強で頑張る』と、方向転換して必死に勉強して姉と同じ高校に入学しました。そこでお姉ちゃんに『友達がブレイクダンスをやっているからやってみたら』って誘われて始めたら、めっちゃハマっちゃったんです。当時はストリートチームがいっぱいあって、全チームが1回(演技を)やって、そこから選ばれたメンバーがオーディションに行く感じで、そこで『君いいね!』ってスカウトされました。お姉ちゃんはKポップファンでしたが、この時の僕はKポップを全く知らなくて何も考えずに(韓国に)行っちゃいました(笑い)」

 HYBEの練習生としてオーディション「I―LAND」に挑戦したが惜しくも落選した。

 「悲しい気持ちがないとは言えないし、もちろん落ち込んだ時もあります。元々、友達だった候補生が、メンバーとなってENHYPEN(エンハイプン)としてデビューしていて、彼らのカッコいいステージを見て『僕も早くそういう舞台に立ちたいな』って、ちょっとヘコみました。特に同い年のEJとはオーディションが終わってから一緒に住んでいた時期があって『2人で一緒にデビューしよう』って意気込んでいましたね(笑い)。それから『今よりもうまくなりたい』という気持ちが徐々に強くなっていきました」

 オーディション後にHYBEから日本デビューを目指すグループ結成の発表がされ、ニコはEJ、K、TAKIとともにデビューメンバーに選ばれた。

 「話を頂いた時はうれしかったです。で、日本に行くことが決まった時も、韓国の時みたいに何も心配していませんでした(笑い)。というよりも『日本ってどんな感じの国かな』って思っているうちに、いろんなことがどんどん始まって、考える時間もないみたいな…。本当に不思議な感じでしたが、その間、僕ら4人はデビューが決まるまで、常に互いにサポートしながら過ごしていました」

 グループでは自他共に認める“ファッション番長”として名高いが、苦労もあるようだ。

 「合宿生活でそう大きな問題はないですが、僕としては服が多すぎて部屋が狭くなってきています。自分でもどのくらい持っているか分かんないです(笑い)。宿舎のクローゼットにはメンバー一人ずつ決められたエリアがあるんですが、みんなの服はそう多くない中で、自分の服がズラ〜って並んでいるみたいな…。他のメンバー8人分ぐらいのスペースを僕が一人で取っていますね。僕の服に関しては、みんなも認めているようです。いや、というよりも『ニコラスはこういう人だから』ってあきれているのかもしれないです(笑い)。今後はファッションの仕事やグループの衣装とかもデザインできたらうれしいです」

 物おじせずに常にチャレンジ精神を持ち、建前ではなく本音で話せる男だ。楽天家に見えつつも将来を見据えている堅実な面も…。(国分 敦)

 ◆NICHOLAS(ニコラス)2002年7月9日、台湾出身。21歳。ブレイクダンス、ラップのスキルは出色。日本語、韓国語、台湾語、英語を話すクァドリンガル。趣味は服のリメイク。身長179センチ、血液型O。

◆ニコラスが見たメンバー

 ▼EJ(21)「日本人が多いグループの中で、韓国人としてリーダーになってメンバーのために頑張っている。同じ年なのに偉い」

 ▼FUMA(25)「フウマ君はドシっとしていて、チームのことをいつもサポートしています。彼がいることで安全で安心感がある」

 ▼K(26)「いつもチームをどううまく見せるかを一番考えてくれている。彼のおかげで僕らのダンスが上達している気がします」

 ▼YUMA(20)「普段と舞台とではギャップ萌(も)えが強い。普段はクールとかシックな感じですが、実は愛きょうがあってかわいい人」

 ▼JO(19)「あまり自分の感情表現をしないタイプ。彼にはいろんな姿がありますが、常に負けず嫌いがあるって感じます」

 ▼HARUA(19)「僕はファッションや音楽が好きですが、ハルアはいつも隣にいるので僕の好きなことは全部知っています」

 ▼TAKI(19)「チームのムードメーカー。いつも明るい笑顔でいてくれて、タキがいるとチームの雰囲気も変わってきます」

 ▼MAKI(18)「以前はマキと話す時はほぼ英語でした。僕も敬語を使われなくてもいいタイプで、弟より友達に近い感じかな」