講談師・神田愛山が21日、東京・神保町のらくごカフェで29日発売のCD「神田愛山 講談集」発売記念会見を行った。

 同CDは、御前相撲に出場した力士にまつわる「寛政力士伝(かんせいりきしでん)」の中から「谷風の情相撲(たにかぜのなさけずもう)」、菊池寛氏の小説を愛山が講談化した「敵討母子連れ(かたきうちははこづれ)」の二席を収録している。

 愛山は会見冒頭で「いまだに戸惑っています。こんな無名の男のCDは果たして売れるんだろうか」と冗談交じりにあいさつ。古希と芸歴50年を迎えたことを記念してのCD発売を「人生のけじめというか、置き土産といいますか」とはにかみながら喜んだ。

 最近では、神田伯山のブレイクなどにより講談界も注目を浴びるようになり「夢のようです。伯山は自分の人気を独占しようとかそういう訳ではなく、講談(発展)のために新しいお客さんを連れてきてくれている。私の目医者の女性スタッフまで、伯山きっかけで講談を知っていると言っていましたから」と、後輩の活躍への称賛と感謝を語っていた。