映画、ドラマのほかバラエティー番組でも活躍した俳優の中尾彬(なかお・あきら=本名同じ)さんが16日に心不全のため死去していたことが分かった。81歳だった。所属事務所が22日、発表した。葬儀・告別式は妻の女優・池波志乃ら近親者で営んだ。

 中尾さんはネクタイ嫌いで知られ、夏でもマフラーやストールを欠かさず、ねじって首元に巻くスタイルのファッションが「彬巻き」「ねじねじ」と呼ばれて親しまれた。中尾さんはテレビやラジオ番組でたびたび「ねじねじ」について語り、約25年前から着け始めたことを明かしていた。

 当時、ドラマのロケのため訪れたインドネシアで、現地のろうけつ染め布地の特産品「バティック」を気に入って大量購入。帰国の際、飛行機が飛ばないハプニングが起き、首の回りが寒くなってきたことからバティックを首から下げ、無意識に巻いていたところ絡み合って解けなくなってしまったという。それを見た隣に座っていた神田正輝から「格好いい」と褒められこともきっかけとなってスタイルが確立した。

 「ねじねじ」という言葉は、妻の池波が命名した。2018年に池波と共著で発売した「終活夫婦」では「終活」のため所有していたストールの約半分、200本を処分したことも明かしていた。