「NO LATIN, NO BASE BALL」ソフトバンク・グラシアルに一問一答

「NO LATIN, NO BASE BALL」ソフトバンク・グラシアルに一問一答

 こんにちは、SHEILAです! 今回の『NO LATIN, NO BASE BALL 一問一答』は、ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(32)です。昨年のWBCで、元巨人のセペダ選手や、同僚のデスパイネ選手と一緒にキューバ打線の中軸を担った実力ある選手です。来日1年目。グラシアル選手のことをもっと知りたいと思って、話をうかがってきました。

(1)野球を始めたのは何歳ですか?

 「4歳から」

(2)他にどんなスポーツをしてきましたか?

 「小学生のときにサッカー、陸上、レスリング、バレーボールなどをやった経験があるよ。でも一番好きだったのはずっと野球」

(3)どのタイミングで野球を選んだのですか?

 「僕の履歴はちょっと変わっていて、僕は中学3年間は『カミリト』というミリタリー(軍隊)の学校で寮生活をしていたんだ。もちろん野球は続けてたんだけど。でもそこでミリタリーとして人生をよりフォーカスするようになった。高校を経てハバナにあるミリタリーの大学に進学。長い間、二足のわらじをはいている状態が続いてた。僕の祖父が軍人だったこともあって、大学ではミリタリーの資格をとって卒業したんだ。それが22歳のときで、卒業してからはマタンサスに戻って軍の仕事をしていたんだけど、上司が野球を続けることを許可してくれたから就職してからもナショナルチームで野球は続けていたんだ。ずっと仕事と野球を両立していたんだけど、しばらくするとスケジュール的に無理が生じてきて色んなことがうまくいかなくなってきて二者択一する時がきた。で二つを天秤にかけたときに軍隊の仕事も大好きだったけど、野球はそれを上回ったから野球だけを続けることを決断したんだ。22歳で大学を卒業して、就職して23歳のときには野球(ナショナルチーム)の道を選んで新しい一歩を踏み出したんだ」

(4)ポジションはどこを守っていましたか?

 「最初はレフトを守ってそこから色々守ったよ。自分自身が一番好きだったのはサードだけどね。で、6年くらい前にキューバのマタンサスチームでビクトル・メサが監督だったとき、チームにショートがいなくて必要になり、ある日突然ショートを守らされたことがあったんだ。そこからショートを守るようになって、そのあとカナダの独立リーグでプレーしたときもショートを守って、他にもサードや外野も。気がついたら全部守ってた。メサ監督がいろんなところを守る機会を与えてくれたおかげでどこのポジションでも順応できるようになって。WBCではセカンドを守ったりね。今もセカンドも守っているしね」

(5)プロ野球選手になっていなかったら何になりたかったですか?

 「間違いなくミリターだよね」

(6)ずっと続けている練習メニューはありますか?

 「ないかな。色々変えてきてると思う。僕はすごく小さいときから先輩達を観察して、良いと思ったことはどんどんマネして取り入れるタイプだったんだ。バッターボックスでの立ち方とか守備とかスイングとか何でも取り入れてきたよ。あと。しいて言うならランニングはずっと続けている。走るのが大好きなんだ。下半身は常に丈夫でなきゃならないからね。盗塁とか大事なときに本領を発揮できるように」

(7)あこがれの選手は?

 「アントニオ・パチェーコ! 大好きすぎて選手になったときに彼の背番号47をもらったんだ。彼のプレーが大好きだった。僕の夢だったよ。他にもキンデランやリナレス、ビクトル・メサも好きだったけど一番はパチェーコだね」

 (8)自分の強さはどこだと思いますか?

 「家族! 家族のサポートは僕にとって最強だね。家族っていうのは僕の子供(息子4歳・娘3歳)、母、妻、姉、父、みんなが僕のことを応援してくれて遠くにいてもサポートしてくれるから」

(9)自分の弱さはどこだと思いますか?

 「家族に何かがあること。それを解決してあげられないって思うと辛い」

(10) 悩み事は誰に相談しますか?

 「妻。もちろん母も聞いてくれるし。僕の従姉妹の旦那さんもすごく仲がよくて、彼とは一番野球の話をする」

(9)初恋はいつですか?

 「えっ(と照れる)。すっごく若かったと思うけど、多分、10歳くらいかな、いや、もうすぐ11歳になる頃だったと思う」

(10)好きな女性のタイプは?

 「責任感のある人。行動力、決断力のある人。イニシアチブの取れる人が好きだよ」

(11)寝る前に必ずすることはありますか?

 「1日を神様に感謝すること」

(12)ゲン担ぎはありますか?

 「野球に関しては特にないかな。僕が心掛けていることは良いことをすること。誰にでもどんな人にでも助けが必要な人がいれば助けてあげたいと常に思っている。あとは人生を日々大切に幸せに楽しく生きる事を心掛けているよ」

(13)趣味は?

 「僕はちょっと変わっていて、趣味という趣味はないんだ。好きな物はたくさんあるけどどっぷりハマったりはしない。音楽も好きで聞くけどある一定の期間聞いてもう聞かなかったり、映画もそうだったりする。決まったものがない」

(14)日本の食べ物で何が好きですか?

 「今のところ全部好き! あ、おすし以外だった。お寿司はちょっと苦手かな」

(15)バッターボックスに立つとき何を考えていますか?

 「とにかく集中すること。バットにボールを当てることに集中する。その時の試合の状況に集中して今チームに何が必要かを考え、どんな仕事を自分がしなければならないかを考え実行する」

(19)これにはお金を使ってしまうという物は何ですか?

 「お金は必要なことに使う。一番は僕の家族に使う」

(20)引退したら何をしたいですか?

 「まだ考えられないけど、まずはゆっくり休みたいかな。アスリートの人生はけっこう大変。家族と離れて暮らしているしね。息子は野球が好きだし従兄弟も好きだから、引退したらなんかそんな手伝いが出来ればいいかななんて思う」

(21)ファンに一言。

「みんないつも応援してくれてありがとう。どこに行ってもファンがいてチームを応援してくれて日本にきて一番ビックリしたことです。全てのチームに熱心なファンがいて、どこの地方に行ってもソフトバンクのファンがいることに感動します。結果が出せた日も、出せなかった日も同じようにサポートしてくれて。本当にありがとう。そしてチームにも伝えたいです。僕を信頼して使ってくれて、このチームにいれて本当に感謝しています。野球大好きです」

From SHEILA

 久々に出会いました、こんなに真面目な人。工藤監督からも「SHEILA! グラシアルは練習し過ぎだから、ほどほどにするように伝えてくれ。全守備を守る練習をしたりするんだよー。疲れるから辞めなさいっていうと嫌な顔をするし(笑)。本当に真面目なんだよ」って言われたほど。監督がグラシアルをかわいがっている様子が伝わりうれしかったのですが、工藤監督の言う通り、インタビューをして納得。この生真面目さはラテンではあまり見ません(笑)。

 なんて言うとラテンの人に怒られてしまいますが、真面目な人はもちろんいますが、真面目すぎるくらい真面目なんです、このグラシアルは。この性格は幼少期に軍隊の学校で培われたメンタルであり、規律なんだと納得しました。

 用意周到なところも全てそこに根源があると感じました。グラシアルに工藤監督の伝言を伝えると、「僕は心配性だからとにかく練習をたくさんして万全な体制で試合に挑みたい。今はセカンドを守っているけど、突然違うところを守れと言われてもすぐに対応できるようにしておきたい。だから練習では5分ずつでもいいから全てのポジションを守っておきたいんだ。準備は大事だからね」と本当に余念がありません。

 グラシアル選手が中学のときに入っていた「カミリト」と言う学校はとても成績優秀な生徒がいく学校で、選ばれし者のみが入れる学校。いわゆるグラシアルは優等生タイプ! なのでそれがそのまま野球にもでていますね。

 そして物腰の柔らかさも印象的でした。「良い行いは自分にも良い物として返ってくる」と真っすぐ私の目を見ながら言っていました。その人がどんな人かは関係ない。困っている人がいたら誰でも助けてあげたいというのが僕の信念なんだ、と言っていました。

 グラシアルの爪を煎じて飲ませた人がたくさんいるなあ、なんて思いながら、久しぶりにあった気持ちのよい選手でした。

 1年契約で日本に来ている選手ですが、最後のがんばりも認められて来年も日本でプレーできるといいね。彼のポテンシャルをまだまだ感じ、このままでは終わらせたくないです。そしてソフトバンクというチームもすごく合ってると思いました。2年目があるならその意気込みをまた聞きにいきたいです。

【グラシアル選手は】

 キューバ生まれの32歳。2009年から同国内リーグのマタンサスでプレー。17年はカナダの独立リーグに派遣され、ケベックでプレー。96試合で打率3割3分3厘、13本塁打、65打点。17年のWBCでは3月14日の2次ラウンド、日本戦(東京D)では、巨人・菅野のスライダーを見事にとらえ、左翼席に2ランを放った。今季は54試合、54安打、打率2割9分2厘、9本塁打、30打点。185センチ、82キロ。右投右打。単年契約で年俸5500万円(推定)。

 ◆SHEILA(シェイラ) 日本人の父とキューバ人の母を持つハーフ。キューバ生まれの日本育ち。小学6年時はキューバの現地校に通っていた経験もあり、スペイン語と日本語、英語を操る。高校時代にソフトボール部に所属し、左投げ左打ちで、一塁、中堅、投手の経験あり。プロ野球界の取材をスタートしたのは、大リーグ中継のアシスタントなどを務めた2001年から。09年の第2回WBCでの取材をきっかけに、キューバ代表と深く関わるようになる。11年キューバPR親善大使就任。15年には一般財団法人「キューバ親善協会」を設立し、代表理事に。


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