山県亮太、9秒台養成所で長期合宿「安定して記録を出すために」

山県亮太、9秒台養成所で長期合宿「安定して記録を出すために」

 陸上の16年リオ五輪男子400メートルリレー銀メダルの山県亮太(26)=セイコー=が6日、今オフに米フロリダ州のIMGアカデミーで長期合宿を行うことを明かした。12月に約10日間、来年2月に約1か月間行う。プロテニス男子の錦織圭(28)らが拠点とするトップアスリートの“虎の穴”。18年ジャカルタ・アジア大会100メートルで自己記録タイの10秒00で銅メダルに輝いた今季から、9秒台へ一層の飛躍を期す。

 変化を恐れはしない。山県が五輪プレシーズンとなる来季へ、大きな決断を下した。冬季合宿を自身初めて米IMGアカデミーで行うことを明かし、「海外に出て自分の目で見て、新しい技術に触れれば何か得ることがある」。今季は10秒00で大台に肉薄したが、桐生祥秀(22)=日本生命=に続く9秒台は果たせていない。「今季の走りをレベルアップし(目標の)9秒8に近づけるための選択」と位置づけた。

 IMG―は気候の温暖さに加え、全天候型のトラック、ウェートトレーニング場、科学的に走りを分析する設備など、施設面の充実でも知られる。陸上界でも、100メートルの現・アジア記録9秒91を持つ蘇炳添(中国)が12年ロンドン五輪後に同地で練習を積み、飛躍につなげた。「活躍のヒントがあるかもしれない。もっと安定して記録を出すために技術的な収穫があればいいなと思う」と目を輝かせた。

 テニスの錦織ら、各競技の有力選手が拠点を置くことも決め手だ。錦織はリオ五輪の選手村で1度見かけただけ。会釈を交わしただけで、じっくり話す機会はなかった。「(2月は)錦織選手も(IMGアカデミーに)ちょうど帰っている時期ということなので、お会いできたらプロ意識というものを聞いたら勉強になると思う」。壁を破るラストピースを手にするため、全てを吸収する覚悟でいる。

 この日は都内で、特別賞に輝いた「第1回服部真二賞」の授賞式に出席。同賞主催財団の評議員を務めるプロ野球・ソフトバンクの王貞治球団会長(78)から記念トロフィーを贈られ、「東京五輪で、自分で振り返っても最高の走りができるように頑張って下さい」と背中を押してもらった。「現役の間は、日々成長してレベルアップしたい」と山県。19年ドーハ世界陸上、そして20年夏の決戦。現状に満足した瞬間に停滞する。挑戦し尽くした先に、栄光が待つ。(細野 友司)

 ◆IMGアカデミー 米フロリダ州に所在する総合スポーツ教育施設で、1970年代前半に創設のテニス部門の教育機関が前身。東京ドーム約50個分の広大な敷地に、テニスコート55面、18ホールのゴルフコース、16面のサッカー場、9面の野球場などを備える。通常の年間授業料は寮費込みで約850万円。アカデミー出身者は、テニス男子ではアンドレ・アガシ、ボリス・ベッカー、錦織ら。女子もマルチナ・ヒンギス、ウィリアムズ姉妹、マリア・シャラポワら4大大会優勝経験者がそろう。ゴルフでは男子で今季国内ツアー賞金ランクトップに立つ今平周吾、女子で12年に米ツアーで1勝を挙げた宮里美香ら。


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