全日本ダブルフォールで思い出すJ鶴田、大仁田のNWA戦…金曜8時のプロレスコラム

全日本ダブルフォールで思い出すJ鶴田、大仁田のNWA戦…金曜8時のプロレスコラム

 石原軍団の俳優・金児憲史(40)と神田穣(23)が3日に東京・後楽園ホールで開催された全日本プロレス「Lucha Fiesta Tour 2018 supported by AJP」に参戦し、レスラーデビューを飾った。

 「西部警察」のテーマに乗ってリングに上がった2人は、覆面レスラー・カーベル伊藤(正体不明の100円レンタカー、カーベル伊藤一正社長)と組んで、大久保一樹(39)、原学(36)、佐野直(39)との6人タッグマッチに挑んだ。長州力が憧れだった金児は、大久保を相手にミドルキック3発からのギロチンドロップ、大技ブレーンバスターを披露。ヒップに「石原軍団」の4文字が刻まれた白パンツで覚悟を決めた神田は原に対し、ローキックからのスリングブレイド、ヒールホールドを敢行し、猛特訓の成果を発揮した。

 相手の反則(マスクはぎ)によって勝利を手にした金児は「失礼のないように本気でやりました。一皮むけて、いい40歳を迎えられました」と真っ赤になった胸板をさすると、神田は「成長できました。次は役者に専念したい…と思いつつ機会があればもう一度やりたいです」と汗を拭った。

 この試合は第3試合で、第6試合には、TAJIRI(48)が持つ、GAORA TV選手権の防衛戦が行われた。相手は因縁のスペル・クレイジー(44)。結果はロメロスペシャル崩れで両選手の肩がマットについてしまうハプニングで、和田京平レフェリーが同時に2人に3カウントを入れるという、ダブルフォールで引き分けとなった(12分46秒)。

 第16代王者TAJIRIが4度目の防衛に成功したわけだが、ここで思い出されるのが、昭和の全日本プロレスで起きてしまった2つのダブルフォール事件。その1つは、1982年6月8日の東京・蔵前国技館大会で、ジャンボ鶴田がリック・フレアーが持つ、NWA世界ヘビー級選手権に挑戦した時だ。鶴田がフレアーに、ジャーマンスープレックスホールドを決めた。

 ジャイアント馬場以来、日本人2人目のNWA世界王座奪取か思われたが、鶴田のブリッジが崩れて自身の肩もついてしまっており、ジョー樋口レフェリーが同時に2人の3カウントを数えたのだ。ダブルフォールによる引き分けで、フレアーの防衛となった。

 そしてもう一つは、NWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王者の大仁田厚が前王者のチャボ・ゲレロとのリターンマッチが行われた同年7月30日の川崎市体育館大会。同じように、ジャーマン崩れだった。ミスター林レフェリーが失神している間に、チャボが大仁田にジャーマンを決めた。

 サブレフェリーの和田京平が3カウントを数えた。だが、崩れたチャボの肩もついており、息を吹き返したミスター林がチャボに対しても3カウントを数え、ダブルフォール。チャボが強引にベルトを持ち帰ったが、王座はNWA預かりに。大仁田は泣きながら「もう1回やらせてください。チャボともう1回やらせてください。お願いします」とアピール。

 この因縁が、その後のチャボのトロフィー殴打大流血事件へとつながるのだった。いずれにしても、こんなダブルフォール劇は、新日本プロレスでは、起きなかった。全日本ならではの、ハプニング。その昭和の遺物が、平成の最後に起ころうとは…。石原軍団においしい所を持っていかれた後楽園大会だったが、ダブルフォールという全日本の伝統ある“お家芸”の面白さを感じさせられた大会でもあった。(酒井 隆之)


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