◆JERAセ・リーグ 巨人8―3阪神(22日・東京ドーム)

 巨人打線が今季最多4本塁打を放ち、「伝統の一戦」今季初のカード勝ち越しを決めた。初回に岡本和の2点二塁打で先制すると、2回に坂本の球団通算1万500号となる特大3号2ランなどで加点。7回には香月、8回には梶谷のソロが飛び出した。先発の高橋は6回3失点でまとめ、開幕4戦4勝。貯金を今季最大の6とし、首位の阪神に2ゲーム差と迫った。

 坂本は右手にバットを持ったまま、ゆっくりと駆け出した。大飛球が左翼バルコニー席へと吸い込まれると、しばらく場内のどよめきが収まらなかった。「しっかりと捉えていい感触でした。追加点になってよかったです」。ダイヤモンド一周後、ベンチの前で笑顔がはじけた。4点リードの2回1死一塁。8日の阪神戦(甲子園)で1号を放った秋山から、またも一発。今季東京D初アーチとなる推定130メートルの特大3号2ランは、球団通算1万500号となった。

 主将のバットが止まらない。これで打率は3割6厘。前日21日の同戦(東京D)でマルチ安打を記録するなど絶好調。選球眼も相手にとっては脅威で、この日の6回には四球を選び好機を拡大した。

 昨季の悔しさを晴らすかのようにロケットスタートに成功した。昨年は開幕直前に新型コロナに感染。シーズン序盤は打撃不振に苦しみ「調子が上がらずチームに迷惑かけてしまった。若い選手がチームを勝たせてくれて本当にチームメートに救われた」。自身が不調でも、岡本和を中心に白星を積み重ねた。

 一方で、苦しみもがきながらも見えないところで努力する姿は、本人の知らないところでチームへ相乗効果をもたらした。陰でランニングに励む姿を目撃した元木ヘッドコーチは「勇人が調子悪い時に(早出で)一生懸命ランニングしていた、というのは原監督に伝えないと。若い選手が1軍だぜ!って調子に乗るようなら、鼻をへし折らないと。抜いているやつは抜いてますってハッキリ言う。若い選手が勇人とかを見てやってほしい」と言った。どんな一流選手でも長いシーズン、好不調の波はある。好調でも天狗(てんぐ)にならず、不調に陥った時に見せる姿は、常にヤングGの手本だ。

 今季は、開幕から岡本和の状態が上がってこなかった。その間、昨季の借りを返すかのようにチームを引っ張ってきたのが主将だ。ここまで24試合中18試合で安打を放っている。20日の同戦(同)では5発を浴び敗れたが、この日は坂本の一発を含む4発で大勝。カード勝ち越しを決め、首位の虎に2ゲーム差と迫った。「『やっぱりジャイアンツが強いな』と言っていただけるように頑張っていきます」と臨む21年。リーグ3連覇&悲願の日本一まで、ノンストップで打ち続ける。(小林 圭太)