◆パ・リーグ 日本ハム9―0オリックス(27日・エスコンフィールド)

 日本ハム・伊藤大海投手(26)が開幕から無傷の3連勝を飾った。27日のオリックス戦(エスコン)に先発し、6回1安打無失点。今季最多115球の力投で8三振を奪い、今季のホーム初勝利を手にした。エースの快投でチームは7カード連続の初戦白星&貯金4。3試合を残し、新庄政権3年目で初となる3、4月の月間勝ち越しを決めた。

 腹の底から雄たけびを上げた。6回2死一、二塁。伊藤は「球数的にもあそこが最後かなと。最後出し切りで出せる力を」と今季最多115球目でセデーニョを三直に封じ、アドレナリン全開でほえた。被安打1、8奪三振で本塁を踏ませず無傷の3勝目。エスコンでの今季初勝利に「ホッとした」と胸をなで下ろした。

 大型連休の初日。この日は始球式や場内アナウンスを子どもたちが務める中「少しでもカッコイイとこを見せたくて」と6回1死まで無安打。最速150キロの直球が走りながらも「一つの球に頼りすぎないことで(打者の)裏をかかなくても裏に入れている。一つ、二つじゃなく常に選択肢を持ちながら」とスイーパー、カット、ツーシームを多彩に操った。的を絞らせず、5戦連続のクオリティースタート(QS、6回以上自責3以下)とした。

 新たなルーチンが活躍を支えている。昨季は本拠地で1勝7敗に終わり「自分との決め事を作る」と11月からエスコンの地下通路でウォーキングを開始。今でも球場に来る日は欠かさず早朝に40分、約5キロを黙々と歩く。結果に一喜一憂せず日々、心と体をその時間にリセットさせ「早く来て先に動くとすごくいいマインドで練習に入れる。得した気分で『いいことをした。今日もいい日にしよう』って、それがすごく好きで」。現状を変えようというオフからの地道な姿勢が結果につながっている。

 27日は大社義規球団初代オーナーの命日。「大社さんがこのチームをつくらなければ今僕たちはここにいない。ファイターズの名に恥じないように戦っていく」と背番号17。特別な思いを白球に込めて勝利を届けた。

(堀内 啓太)