◆春季高校野球石川県大会 ▽2回戦 金沢10−0北陸学院=6回コールド=(28日・石川県立)

 2回戦8試合が行われた。シード校の金沢は、10−0の6回コールドで、初戦突破を決めた。最速148キロのエース右腕、山本悠人(3年)が、4回まで1安打、7三振で無失点に抑えれば、打線は10安打、5盗塁を記録して快勝した。

 プロ注目の3番、斎藤大翔遊撃手(3年)は1安打、2打点と奮闘した。2回二死満塁では、左前2点適時打を放ってチームを勢いづけた。キャプテンも務める斎藤は「満塁だったので、試合の流れを引き寄せたかった。感触は良くなかったが、抜けてくれて良かったです」とホッとした表情を見せた。

 181センチ、76キロの体格で、俊足、俊敏さ、強肩を兼ね備える。ネット裏ではプロ8球団のスカウトが視察。広島の高山健一スカウトは「もともと体にバネがあり、足と肩には光るものがある。守備では基本に忠実に取り組んできたのがよくわかる」と話せば、日本ハムの熊崎誠也スカウトは「足も肩もサイズもある。十分にプロも目指せる」と期待を込めた。

 昨秋から低反発バット対策に取り組み、木製バットで打撃練習。ソフトバンクの今宮健太内野手の動画を参考にして、守備力も強化した。食事量を増やして、体重は3キロ増え、スイングスピードやパワーも向上。「バットの芯に当たったら、木製の方が飛ぶと思う」と手応えをつかむ。

 ちなみに練習試合で計った球速は140キロ。「肩には自信があります。去年秋には星稜に負けたが、石川県で勝ちたいです」と斎藤。強肩、俊足のキャプテンが、攻守でチームを引っ張る。(中田 康博)