◆パ・リーグ 西武5×―4ソフトバンク=延長10回=(4日・ベルーナドーム)

 覚悟を決めた。同点の10回2死満塁。西武・外崎修汰内野手(31)は「やるしかない」と打席に入ると、津森のスライダーを中前へはじき返した。20年7月24日のロッテ戦以来となる自身2度目のサヨナラ打は、チームの延長戦連敗記録を15で止めた。仲間の手荒い祝福を受け、お立ち台で「野球をやっていて最高にうれしいと言いますか、最高の日です」と目を赤くした。松井監督も「男を見せましたね」と褒めた。

 1点リードの8回1死一、二塁。遊ゴロ併殺打を狙ったが、自身の一塁悪送球で二塁走者の生還を許した。落ち込みかけた時、平石ヘッドコーチに「切り替えて腹をくくって打ってこい」と背中を押され、決勝打につなげた。試合前の打率は1割9分8厘。フォーム、タイミングを合わせようと試行錯誤しているうち迷いが生じていた。「思いきりいけてない部分の方が結果に出ているのかな」。モヤモヤした気持ちにもサヨナラだ。

 昨年6月15日の巨人戦(東京D)から延長戦を落としていたが「チームは消極的になるとか全くありませんでした」と首を横に振る。前回の福岡3連戦で食らった3連続サヨナラ負けから立て直し、今季初の3連勝。「すごいいい勢いは出てきている」。選手会長の一打が5月反攻の合図になる。(秋本 正己)