◆春季高校野球富山県大会 ▽準決勝 富山商11−5氷見(5日・県営富山)

 準決勝2試合が行われた。昨夏の甲子園に出場した富山商は、11−5で氷見を下して決勝進出を決めた。17安打と打線が爆発し、先発全員安打を達成すれば、先発のエース左腕、宝泉陸斗(3年)が4回まで5安打、8三振で無失点に抑えた。宝泉は「久しぶりの投球でしたが、しっかり抑えようと思った。コースに決まれば打たれないし、バッターの分析もデータ班がやってくれています」と感謝した。

 プロのスカウトも期待する、強打の大型三塁手、福田敦士(3年)が、投手デビューを果たした。188センチ、88キロの堂々とした体格で、遠投は95メートルと肩の強さもお墨付き。打席では2安打、3打点と活躍し、8−0とリードした5回から初登板した。最速135キロのストレートと変化球を低めに集めて打たせて取った。5、6回は守備のミスもあって5失点したが、7〜9回は無安打、無失点に抑えた。「コントロールが定まらず、チームに迷惑をかけてしまった。緊張はしなかったが、力が入ってしまいました」と振り返った。

 昨夏の甲子園では、初戦の鳥栖工に延長12回タイブレークの末、2―3で敗れたが、5打数3安打の成績を残した。「夢だった甲子園に出場できた。緊迫した場面も多かったが、いい経験になりました」と手応え。昨秋の県大会後には、監督に勧められて、投手としての練習を開始。この日は小学生以来の登板となったが「抑えた時は楽しいし、夏も投げたい。大谷翔平選手をイメージして、バッターとしても頑張りたいです」と意欲を見せる。新境地を切り開いて、2年連続の夏甲子園を目指す。(中田 康博)