◆ラグビー・リーグワン▽第16節 静岡BR20−59BL東京(5日・ヤマハ)

 静岡ブルーレヴズはBL東京に9トライを許し、20―59で完敗。今季最多1万3814人が集まった最終戦を飾れなかった。順位は3年連続の8位。今季限りでの引退を発表していた元日本代表のSH矢富勇毅(39)は後半19分までプレー。試合後の会見で周囲への感謝を示した。また、リーグの最多トライゲッターにWTBマロ・ツイタマ(28)が輝いた。

 試合後のセレモニーでマイクを手にしたブルーレヴズの矢富勇は涙で声を詰まらせた。両膝や頬骨など「15、6回手術した」というラグビー人生。復帰を支えてくれたドクター、トレーナーや仲間に感謝を示した。早大とヤマハ発動機時代の恩師・清宮克幸氏から花束を渡され、選手一同から胴上げされた。引退会見では「たくさんのファンの前でプレーできて楽しい試合でした」と笑顔も見せた。

 その言葉通り、先発でフル回転。スクラムで自ら持ち出して突破を図るなど、積極的に攻めて「トライを狙いました」。後半19分に3人同時入れ替えとなり、兄弟でピッチに立つことはできなかったが、WTBの弟・洋則(28)とは交代時にハグ。「お疲れさま、と言いました。けがをしたときにつらい思いをしたのも知っていた。まだ実感が湧きません」と弟は話した。

 後半だけで6トライを奪われ、2位の実力を見せられた。それでも若い力は育っている。矢富勇は「悔しい結果に終わったけど、この気持ちを引き継いで強くなると思う。必ず優勝するのでみんなで喜びましょう」とサポーターに約束した。今後は指導者の道に進む予定。「すごくいいラグビー人生だったと思います」と胸を張った。(里見 祐司)