◆米大リーグ ドジャース5―1ブレーブス(5日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が5日(日本時間6日)、本拠地・ブレーブス戦に「2番・DH」で先発出場。8回先頭でこの日2本目の10号ソロを放った。ド軍移籍後初の1試合2発で、本塁打王争いで再びトップに並んだ。エンゼルス時代から4年連続の2ケタ本塁打となった。大谷の活躍で5―1で勝利したドジャースは、ポストシーズンで対戦する可能性のある難敵ブレーブスに3連勝。貯金を「10」の大台に乗せた。

 中堅方向への打った瞬間弾だった。8回先頭。ブ軍2番手の左腕ミンターからの初球、真ん中への直球をフルスイング。バックスクリーン左へ放り込んだ。飛距離464フィート(約141メートル)は今季最長。自身3番目の飛距離となる特大弾だった。この一打では、今季初4安打も同時にマークした。首位打者争いでも暫定首位に浮上した。

 MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、スタットキャストによる飛距離計測が始まった2015年以降、G・スタントン(マーリンズ)144・78メートル(15年5月12日)、F・タティス(パドレス)142・34メートル(21年9月30日)に次ぐ、ドジャースタジアムで3番目の飛距離だった。スタットキャスト導入前の1969年8月5日、パイレーツのウィリー・スタージェルが右翼に506フィート(154・2メートル)の場外本塁打を放った記録が残っており、これは現在も同球場での最長弾とされている。

 試合終了時で「打率」「本塁打」「安打」「二塁打」「塁打」「長打数」「長打率」「OPS」「ISO(長打率から単打を除いて算出、長打力を示す)」の9冠となった。ド軍加入から35試合目。25長打は1901年以降で球団初という。現時点で打率3割6分4厘、52安打、30得点、25長打、98塁打、出塁率4割2分6厘、長打率6割8分5厘、OPS1・111の8部門で自己ベストの序盤戦となっている。

 初回。過去3度の2ケタ勝利を誇るブ軍の先発左腕、初対戦のフリードから先制9号2ランを放った。0―0の無死一塁。1ボール2ストライクからの5球目、74・6マイル(約120キロ)のカーブを捉え、バックスクリーンに運んだ。打球速度104・3マイル(約168キロ)、飛距離412フィート(約125・5メートル)、打球角度31度。一塁を回ったところで力強く右拳を握った。試合前には真美子夫人(27)と愛犬・デコピンが球場を訪れていた。

 大谷はここまで34試合で打率3割4分5厘、8本塁打、22打点、7盗塁。ホームラン王争いでナ・リーグトップのオズナ(ブレーブス)に1本差の2位タイにつけていた。初回の一発でトップに並んだが、オズナが7回にリーグ一番乗りで10号到達。それでも、大谷がまた追いついた。今季は自己ワーストの開幕から8試合、40打席連続で本塁打が出なかったが、関係なかった。エンゼルス時代の昨季は44発で日本人選手として初の本塁打王を獲得したが、リーグをまたいでの2年連続キングも完全に視界に捉えている。