5月22日に札幌円山球場で開幕する第63回春季全道高校野球大会の組み合わせ抽選会が17日、札幌市内で行われた。3年連続30度目の出場となる稚内大谷は開幕試合で遠軽と対戦。最速140キロのエース左腕・白田優斗投手(3年)が“キレキレボディー”で春全道7年ぶりの勝利に導く。道大会(夏は南北海道大会)4季連続優勝を狙う北海は帯広大谷と、3月のセンバツに21世紀枠で出場した別海は札幌国際情報と初戦で対戦する。

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 “脱ぽっちゃり”の稚内大谷・白田がチームを勝利に導く。自ら開幕試合の番号札を引き「開幕ゲームのことはあまり考えないで準備したい。個人的には9イニング全部投げて、無失点で抑えたい」と腕をまくった。

 初戦で対戦する遠軽は強力打線が持ち味だ。地区予選ではいずれもプロ注目の最速149キロ右腕・池田悠真(紋別)、最速146キロ左腕・山内悠生(北見柏陽、ともに3年)を攻略。2試合とも2ケタ安打で全道に駒を進めてきた。同級生で相手エースの明戸魯偉、背番号9の門田昊弥は中学時代にプレーしたクラブチームのチームメートで「(遠軽は)バッティングがいい印象があるので、丁寧に投げていきたい。(旧友の)2人は絶対に抑えたい」と闘志を燃やした。

  1年秋からエースナンバーを背負ってきた。入学時の体重は85キロだったが徐々に体重を落とし、現在は80キロまで絞った。昨秋は82キロで「キレが課題だった」と、ランニング量を増やしたほか脂肪燃焼のサプリメントも摂取し、体脂肪率は22%から16・9%まで減少。体重を減らしても球速は昨秋から4キロアップの140キロに到達し「9回投げても全然疲れないで投げられる。キレが増したのかな」と成長を口にする。

 道大会の勝利は21年夏が最後で、現在6連敗中。昨秋も優勝した北海に初戦で敗れて現役部員は道大会での勝利経験がなく、白田は「自分が入ってきてから全道で1勝もできていない。自分たちが流れを変えて、欲張らずにまずは1回戦突破を目指したい」。8強入りした2017年以来の春全道勝利を目指し“スリム白田”が円山のマウンドで躍動する。(島山 知房)

 〇…別海は緊急事態を乗り越え、初出場初勝利を目指す。地区予選1回戦後に複数の部員が新型コロナウイルスに感染。一部レギュラーを欠く中でも底力で勝ち上がり、春の地区予選初“優勝”を果たした。全員が練習に合流するのは20日頃の見込みで、中道航太郎主将(3年)は「大会までには準備万端で臨めるように頑張りたい。秋はベスト4だったので、それを超えたい」と意気込んだ。

 〇…北海は大会連覇と駒大苫小牧以来(05年夏〜06年夏)の道大会4季連続優勝を狙う。センバツ枠で全道大会出場は決まっていたが、地区予選では札幌日大、昨秋8強の札幌国際情報などを退けた。2年生エースの松田収司がけがで出遅れる中、センバツでは出番のなかった1、2年生投手が結果を残しており、金沢光流主将(3年)は「勝ち続けるのは難しい。3年生の投手に頑張ってもらいたい」と話した。

 〇…旭川実は今大会NO1右腕の呼び声高い田中稜真投手(3年)が、高校では初めて円山球場のマウンドに立つ。地区代表決定戦では自己最速を1キロ更新する148キロをマークし、強豪・旭川志峯から完封勝利。オフの成長を示した。NPBのスカウトからも熱視線を送られており「決め球の精度がまだ甘い。上を目指すとなると一球で負けることもあるので、そこの精度を意識して投げたい」と力を込めた。