◆春季高校野球宮城県大会 ▽2回戦 仙台育英9―0名取北=7回コールド=(18日・石巻市民)

 宮城2回戦で仙台育英が名取北に9―0で7回コールド勝ち。適時打が1本もないなか、スクイズや犠飛など形にこだわらず1点をもぎとる戦いぶりで準々決勝に進んだ。

 点を取るのは打つだけじゃないと、小技を随所に織り交ぜた攻撃で仙台育英がコールド発進だ。11安打9得点も適時打はなし。スクイズや犠飛、内野ゴロの間などで得点を重ねた。「ちゃんとやるべきことをやろうとした結果」と振り返った須江航監督(41)は、「行きのバスの中で、(どんな形でも)1点を取りきるぞと確認しました」と狙い通りの戦いぶりに納得の表情を見せた。

湯浅3打点 全4打席すべてバントを決め、2度のスクイズ成功など2打数2安打3打点の「3番・三塁」湯浅桜翼(おうすけ)主将(3年)は「勝つためにはこういう野球をしないといけない」。本塁方向へ風が吹いており、新基準バットは以前より飛距離が劣るため、バントを駆使して好機を確実に生かそうとした形だ。普段も実戦形式でバントのみの練習をするなど、「(これまでより)圧倒的に多くなりました」と重要性を再認識した。また2番・浜田大輔中堅手(3年)が3盗塁を決め、6回1死二、三塁では二塁走者として投前スクイズで一気に本塁へ生還。50メートル6秒0の俊足を存分に生かし、隙を逃さない攻撃を見せた。

 昨秋は県8強で東陵に敗れたため、「背番号をつけて試合をする経験が少ない。(春は)絶対に勝つんだという思い」と指揮官。湯浅も「多くの公式戦を経験するには勝つこと」と力強く語った。まずは準々決勝の東陵戦(22日)で昨秋のリベンジ、そして春の県5連覇へ。小さなことからコツコツと、仙台育英が頂点へ一歩ずつ進んでいく。(有吉 広紀)