◆ローイング◇静岡県高校総体(19日・浜松天竜ボート場)

 男女別3種目の決勝などが行われた。男子ダブルスカルでは、U―19日本代表候補の和田潤誠(3年)がいる新居Aが優勝し、同校が3連覇を達成。女子かじ付き4人スカルでは沼津東が4連覇を狙う浜松湖南を破った。各種目の優勝者・チームには全国総体(8月、長崎)の出場権が、上位3チームに東海大会(6月、岐阜)の出場切符が与えられた。

 新居・和田の水しぶきを上げながらこぐオールのテンポに、相棒の平山和義(3年)が合わせる。1000メートルレースの300メートル時点で後続に1艇身差をつけるなど、チーム最速を更新する3分11秒39で1着。和田は自身2年連続Vに喜ぶも「3分10秒未満を狙っていた。残念」と肩を落とした。

 高校から競技を始めた。4月のU―19ナショナル選考会で2位になり、世代別も含め県勢5年ぶりとなる日本代表候補に選出された。急成長した理由は1年の秋からコンビを組む平山にある。平山は和田より先に、1年生の時に全国高校選抜大会に出場。「悔しくて練習頑張りました」。切磋琢磨(せっさたくま)しながら、昨年準々決勝で敗退した全国総体に駒を進めた。

 雪辱の舞台となる総体だが、和田は同時期に行われるU―19世界選手権(8月、カナダ)の出場を目指している。代表に選ばれれば、総体出場を断念しなければならない。その場合は、平山は藤田帆之介(2年)と組む。思いは託した。「2年前の先輩たちは、全国準優勝している。それを超えてほしい」とニヤリ。平山は「言われた通りに優勝を狙っています」と目を見合わせて笑った。(伊藤 明日香)

 〇…女子かじ付き4人スカルは沼津東が浜松湖南との接戦を0秒37差で制した。スタートから並走状態。舵手の山田沙季(3年)は「向こうは技術あるが、こちらは体力自慢ぞろい」と持ち味を発揮。ゴール地点ではどちらが優勝したのか不明だった。新井妃美季(3年)は「負けたかなと思った。(配艇場に)戻った時に仲間から優勝と聞き、泣いてしまった」と喜びを爆発させた。浜松湖南は全国高校選抜(3月)で決勝進出していただけに「同じところまで行きたい」と気合を入れた。