◆プロレスリング・ノア「STAR NAVIGATION 2024」(21日、後楽園ホール)観衆825

 プロレスリング・ノアは21日、後楽園ホールで「STAR NAVIGATION 2024」を開催した。

 メインイベントで「業界ナンバーワン」と「革命」を掲げ決起したGHCヘビー級王者・清宮海斗と拳王が結成した「反抗」を意味する新ユニット「ALL REBELLION」(A・R)がメンバーのアレハンドロ、クリストバルと4人が初めてカルテットを組み本格始動。大岩陵平、佐々木憂流迦、近藤修司、Eitaと対戦した。

 銀色の新コスチュームに身を包んだ4人は、通常の花道ではなく南側の客席から登場し新たな船出への不退転の決意を表現したが、試合は、大岩が16分08秒、ドクターボムでクリストバルを沈め、黒星発進となった。

 この一戦で注目は、今年8月にデビュー3年目を迎える新日本プロレス「ヤングライオン」大岩の動向だった。デビュー2年目を迎えた昨秋から新日本プロレスからノアへ「国内武者修行」を敢行。以来、4月まで清宮海斗とタッグを結成しGHCタッグ挑戦、新日本の「ワールドタッグリーグ」へ参加するなど結果は出なかったが健闘を続けてきた。

 ところが、信頼していた清宮は5・4両国国技館大会でイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.を破りGHCヘビー王座を奪還すると、「絶縁」を通告していた拳王へ「業界ナンバーワンになるためにはあなたの力が必要」と拳王と合体。後日、2人はアレハンドロ、クリストバルと共闘し「A・R」を結成した。完全にはしごを外され、蚊帳の外へ追い出された形となった大岩は自身の「X」で「パズルをぶっ壊してやる」など清宮との決別をほのめかしていたが、清宮自身が態度を明かしていなかったため、2人の関係がどうなるかが注目されていた。

 試合後、マイクを持った清宮は「陵平、オレの選んだ道を一緒に歩んでくれないか?」と共闘続行を要望された大岩は「俺と海斗さんは、終わんねぇ」と握手し拳王ともガッチリ手を握った。この行動に拳王はマイクを持ち「これが革命だ!今日から大岩陵平も一緒にやっていく!」と宣言した直後、大岩は清宮を背後から強引に振り向かせるとラリアットをたたき込み、拳王をドクターボムで沈め、「A・R」の2トップを連続KOに葬った。

 マイクを強奪し「海斗さん…いや、違うな、清宮海斗!俺はお前の都合で生きてんじゃねぇ!だから、このノアのリングはもう…」とノアマットからの撤退をほのめかしたが「心配するな。俺と清宮海斗は終わらねぇ!俺がお前をぶっ潰してやる!」と清宮との決別を宣言した。

 ホールが騒然となる中、ジェイク・リーが「GLG」のメンバーとリングインし共闘を求めたが、大岩は無言でスルーした。

 清宮が「A・R」結成後、大岩は、5・18横浜ラジアント大会で過去、GHCヘビーを史上最多5度も戴冠した潮崎豪と30分時間切れ引き分けの大健闘で成長と進化を証明。さらに、この日はたった1人で反旗を翻し清宮、拳王をKOした。清宮と拳王が吠える「業界ナンバーワン」の言葉こそ威勢はいいが、まったく具体性もターゲットも不透明な「REBELLION」宣言を遙かに上回る説得力と実力行使は、まさに真の「REBELIION」(反抗)だ。

 

 打倒!清宮へ立ち上がった「令和の革命戦士」は、バックステージで「スッキリしました。僕の気持ちはリング上で言った通りです。これからは海斗さんじゃなくて、清宮海斗をぶっ潰していく」と真の反抗宣言をぶち上げた。

 ◆5・21後楽園全成績

 ▼第7試合・8人タッグマッチ

〇大岩陵平、佐々木憂流迦、近藤修司、Eita(16分08秒、ドクターボム→エビ固め)清宮海斗、拳王、アレハンドロ、クリストバル●

 ▼シングルマッチ

〇YO―HEY(11分24秒、ドロップキック→片エビ固め)Hi69●

 ▼6人タッグマッチ

丸藤正道、杉浦貴、〇望月成晃(12分32秒、ツイスター→片エビ固め)ジェイク・リー、ジャック・モリス、LJ・クリアリー●

 ▼タッグマッチ

〇潮崎豪、小峠篤司(18分35秒、豪腕ラリアット→片エビ固め)齋藤彰俊●、藤田和之

 ▼タッグマッチ

タイタス・アレクサンダー、〇スターボーイ・チャーリー(11分29秒、シューティングスタープレス→片エビ固め)アンソニー・グリーン、タダスケ●

 ▼シングルマッチ

〇谷口周平(7分29秒、ハーフネルソンスープレックス→片エビ固め)モハメドヨネ●

 ▼タッグマッチ

マサ北宮、〇稲葉大樹(11分04秒、DDD→片エビ固め)宮脇純太、大和田侑●