馬業界も深刻な人材難 ゴールドシップが過ごすビッグレッドファームに毎年、新人スタッフが入る理由に迫る!

スポーツ報知6/20(金)12:20

馬業界も深刻な人材難 ゴールドシップが過ごすビッグレッドファームに毎年、新人スタッフが入る理由に迫る!

ビッグレッドファームで種牡馬生活を送るゴールドシップ

 どの業界も人材難というワードが飛び交っている。競馬はJRAのPRやウマ娘などの影響もあって、若者や家族連れの姿を競馬場で多く見るようになり、ひと昔前のイメージからはだいぶ変化した。そうなれば、馬に携わる仕事に興味を持つ人が増えても不思議ではないが、人材確保という意味では他業種同様に厳しい。

 それはなぜか。未経験で馬産地に飛び込んだ私の経験では、仕事内容や生活リズムが分かりづらいこと。馬とふれあう機会が日常になかなかないことで馬乗りや馬を扱う技術面のイメージがしづらい点が、一歩を踏み出す決断を簡単にできない要因になっている。今ではBOKUJOBなどのイベントで仕事内容や牧場を知る機会は以前と比べて格段に増えてはいるが、働き手の確保に苦労していると耳にすることは年々、増えている印象を受ける。

 そんな中で北海道新ひだか町にあるビッグレッドファームには今年、8人の新人が加入した。「種付け、繁殖、育成、調教の全てに携われることがウチの大きな特徴だと思います」と語るのは蛯名聡ゼネラルマネジャー。主に牧場では分業制にしていることが多く、例えば繁殖部門で採用となれば、基本的に馬に乗る機会はない。ところが同ファームでは種付けスタッフや繁殖スタッフでも空いた時間には調教をつけ、調教スタッフでもお産に立ち会うこともある。

 トライする環境があるというのも大きい。例えば、馬乗り未経験で20代半ば〜後半に差しかかると育成調教部門での採用を勝ち取るのは極めて難しい。「馬乗りのハードルは低いものではないけど、危険リスクを下げる方法と経験が浅い子でも大丈夫ということを説明しています。他では断られても、ウチなら馬乗りにチャレンジできるという意味ではハードルは低いと思います」。ちなみに同マネージャーも場長も馬乗り未経験からのスタート。現在も多くのスタッフが未経験から働いており、その言葉には説得力があると言える。

 ビッグレッドファームには引退後も根強い人気を誇るゴールドシップがいることでも有名。「ゴールドシップがいるからというよりも、まずどこに行こうかという時に思いつくことと、スムーズにビッグレッドというのが入ってくるのが大きいように思う」と相乗効果も大きい。種牡馬の見学が可能(現在は馬インフルエンザの影響で休止中)な数少ない貴重な牧場で、敷地に足を踏み入れると日本とは思えないようなきれいな景観が広がる。「入ったスタッフのほぼ全員が1回は牧場に来ている」というように、ここで働きたいと思える理由や魅力があるのだろう。

 従業員は日本人スタッフのみで60人を超えている。人材を確保できている要因を蛯名ゼネラルマネジャーに伺うと「誠実にということかな。『あなたには無理でしょ』とせずに『この方が可能性があるんじゃない』とか『やる意志があるならトライしてみれば』と言える環境が大きいと思います」と話してくれた。

 同ファームの公式ホームページには求人情報が掲載されており、興味を持った方は一度チェックしてもらいたい。この拙文が、どなたかの一歩を踏み出す後押しや何かのきっかけになれば、うれしく思います。(浅子 祐貴)

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6/23(月) 17:10更新

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