旭川市保健所は19日夜、新型コロナウイルスのワクチン接種を担う医療従事者向けの説明会を市内で開いた。市内に約11万8千人いる65歳以上の高齢者について、希望者への接種を8月中に終えるとの目安を初めて示した。また、地域住民の要望に応じ、臨時接種会場を開設することも明らかにした。

 市が主催し、市と道立上川保健所管内の鷹栖、東神楽、幌加内など近郊9町を含む医療機関や自治体の担当者らを対象に行い、約50人が出席。密集を避けるため、テレビ会議システムでも約150人が参加した。

 この中で市保健所の担当者は、17日に旭川に届いた高齢者用ワクチンが975回分しかないことを踏まえ、「旭川市では4月下旬から、多床室(相部屋)がある特別養護老人ホーム(10施設の定員約900人)で先行実施する」と紹介。他の施設の入所者や在宅の高齢者らの接種は、5月中旬以降に本格的に始めるとし、終了時期を8月とするスケジュール表を提示した。

 市内の高齢者施設は約490カ所あり、入所者は約1万3千人。担当者は「それぞれの施設に適した接種体制を探るためアンケートを行い、施設の常勤医による施設内接種や、協力医療機関の巡回接種などの方法を決める」と説明した。各施設には近郊の町からの入所者もいるが、住民票を置く自治体から接種券を取り寄せて対応。また、寝たきりなどの在宅療養者について、実態把握と接種方法の検討を急いでいる。

 接種方法は、市内の約100医療機関で行う「個別接種」と、土日・祝日に市総合防災センターなどで行う「集団接種」がある。旭川は人口が多く、市域も広いことから、市保健所は公民館や地区センターを医師が巡回して対応する「臨時接種」の会場も設ける考えも示した。

 説明会に先立ち、市医師会の山下裕久会長は「4月に入ってからクラスター(感染者集団)が連発している。この危機を乗り越えながら安全な接種を進めていただきたい」と述べた。また、ファイザー社の担当者による質疑応答が非公開で行われた。(小林史明)