輪島市は能登半島地震で被災した子育て世帯向けの支援策として、保育料やおかず代に相当する副食費、児童クラブ利用料を全額免除する。8日開かれた同市議会臨時会で坂口茂市長が方針を示した。輪島塗業界向けには市独自の上乗せ支援を行い、事業者の再建に向けた負担を1割に軽減する。

 森正樹氏(輪政会)の代表質疑に答えた。

 保育料などの免除について坂口市長は「市外に避難している世帯が再び輪島市に戻って子育てをしたいと思うには、避難先と同じかそれ以上の経済的な負担軽減が必要」と説明した。自宅の被害状況などに関わらず、保育料、副食費を含めて全額を免除すると表明した。

 輪島塗を生産する漆器産業の復興では、被災事業者向けに設備や道具、原材料などの購入費の75%が補助される国の助成金がある。坂口市長は残る25%の負担も厳しい事業者がいるとして、市の上乗せ支援で負担が軽減されて事業者の再建意欲が高まるとし「輪島塗の復興とさらなる発展につなげたい」と強調した。

 臨時会では今年度一般会計補正予算案など議案20件が上程された。一般会計の補正額は23億2407万円で、補正後の累計は554億6707万円となる。8日午後に採決する。