自民党富山県連は20日、常任総務会を開き、秋の次期知事選で、現職の新田八朗氏(65)=1期、無所属、富山市千石町=を推薦することを全会一致で決めた。26日の県連大会で承認を得て、近く党本部に推薦要請する方針を示した。

 常任総務会後、取材に応じた宮本光明幹事長は、新田氏の推薦に反対意見はなかったとした上で、人口減少や能登半島地震からの復旧・復興、県立高再編などの課題に対し、自民と歩調を合わせるように求める声があったと説明した。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、宮本氏は党本部のガバナンスコード(統治指針)で、社会的に問題のある団体と関係を持たないことを定め、新田氏には誓約書への署名を求めるとした。

  ●新田氏、統治指針で署名「やぶさかでない」

 新田氏は、20日の会見で「ガバナンスコードの内容はもっともだ」と述べた。以前からコンプライアンス(法令順守)上の問題がある組織と付き合わないとの見解を示していることを挙げ「署名はやぶさかではない」と語った。一方で旧統一教会との関係断絶は明言しなかった。

 新田氏と自民県連は、2020年10月の前回選で新田氏が推薦を求めたのに対し、県連は現職の石井隆一氏の推薦を決め、新田氏を支持した県議会最大会派所属の県議4人が脱会して新会派を結成し、保守分裂選挙に突入した経緯がある。

 次期知事選では、共産党県委員会が候補擁立を目指しており、現段階では「現職対新人」の一騎打ちとなる公算が大きい。