富山市出身の劇作家で演出家のタニノクロウさんが市民と作り上げる舞台公演の第2弾「笑顔の砦(とりで)'20帰郷」が2日、同市のオーバード・ホール舞台上特設シアターで始まった。長屋に住む漁師やある家族の暮らしを対比させながら、人間が居場所を持つ意味を問い掛けた。6日まで。

 昨年実施した第1弾に引き続き、キャストや美術スタッフの大半を県在住・出身者で固めた。上演作はタニノさんの処女戯曲を基に、舞台を富山の漁村に移して構成し直した人情劇。タニノさんは昨年春から富山市四方や黒部市生地などの漁港を回り、せりふを富山弁に書き換えて脚本を仕上げた。

 オーディションで選ばれた市民9人と俳優の緒方晋さん(東京)が出演。市民20人が作った四軒長屋のセットの中で、にぎやかな日々を送る漁師たちと、認知症を患う母親と静かに暮らす家族の日常を対照的に演じながら進行した。出演者が実際に飲食をしたり、軒から雨が滴る様子を再現したりするなど、リアルさを追求した演出で観客を作品の世界に引き込んだ。

 3〜6日に計5公演が行われる。富山市民文化事業団、富山市主催、北日本新聞社共催。
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