北陸新幹線敦賀延伸に先立ち、13日にオープンする白山市立高速鉄道ビジターセンター(愛称・トレインパーク白山)の完成式は3日、同市宮保町の現地で行われ、関係者約80人が白山総合車両所に隣接する新幹線づくしの新スポット誕生を喜び合った。センター実現に情熱を注ぎ、昨年3月に他界した山田憲昭前市長の遺族も遺影を抱えて出席し、山田氏念願の施設を見て感慨に浸った。

 「長年この事業を主導した山田前市長に敬意を表したい。遺志を受け継ぎ、施設を観光資源として生かし、地域振興につなげる決意だ」。田村敏和市長は式辞で、新幹線白山駅の設置を断念する代わりにビジターセンターの開設に尽力した山田氏の功績に触れた。

 馳浩知事、佐々木紀衆院議員、岡田直樹、宮本周司両参院議員、村田茂樹国土交通省鉄道局長、焼田宏明県議会議長、北嶋章光市議会議長、漆原健JR西日本常務理事金沢支社長、綿貫正明鉄道建設・運輸施設整備支援機構北陸新幹線建設局長が順に祝辞を述べた。山田前市長の功労に言及する祝辞も目立った。

 式典の前後に関係者がセンター内を見学。4階の連絡橋でつながった白山総合車両所で新幹線の整備風景が初めて公開され、3台程度の車両が並ぶ様子に「初めて見る光景だ」「オフの姿も見応えがある」と感想を述べた。

 センターは鉄骨造り5階建て、延べ床面積約3800平方メートル。1階は新幹線関係の展示室と白山、野々市、能美、川北4市町の観光情報・物販エリアとなる。3階に大型遊具などを設置し、5階展望デッキからは走行する新幹線を眺められる。総事業費は37億円で年間20万人の利用を見込む。

 2017年に白山総合車両所の観光活用を検討する自民党プロジェクトチームが発足し、関係機関が開業へ協議を進めてきた。
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