穴水特産「能登かき」の料理を提供する穴水町中居南の飲食店「コースト・テーブル」がカキをふんだんに使ったソーセージを開発した。6月上旬にも商品化し、地震の影響で落ちた売り上げのアップにつなげる。能登かきの加工品にソーセージはなく、店主の齋藤祥江さん(43)は「購入して遠くからでも能登を応援してくれればうれしい」と話している。

 ソーセージには、齋藤さんの夫で県漁協穴水支所かき部会長を務める義己さん(42)が育てたカキを使用。豚肉や鶏肉をつなぎとして使い、カキの味わいやうま味を堪能できるよう調理した。冷凍販売し、価格は2本(150グラム)で2千円程度を想定している。

 オンラインのほか、町内外の道の駅、東京の県アンテナ店などでも取り扱ってもらえるよう働き掛ける。店ではソーセージを挟んだホットドッグの提供も検討する。

 齋藤さんによると、店は3月21日に営業を再開し、穴水への応援職員やボランティア、復旧業者らへの食事のテークアウト需要はあったものの、売り上げは例年の5分の1ほどに激減した。常連客や観光客の来店の見通しが立たず、昨年11月ごろから開発を進めていたソーセージの商品化を急いで売り上げにつなげることにした。

 能登かきを使った加工品としてはオイル漬けやアヒージョ、カレーなどがある。齋藤さんは「客足が戻るかは不安だが、新商品を作って前を向くしかない。新たな名物になってほしい」と期待した。
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