1996年の俳優デビューから今なお第一線で活躍を続け、10月には46歳の誕生日を迎えたソン・スンホン。韓流ドラマブームの火付け役ユン・ソクホによる「四季シリーズ」の第1弾、「秋の童話」(2000年)では最高視聴率42.3%を記録し、韓国トップスターの仲間入りを果たした。同作はのちにアジアでも一大ブームを巻き起こし、韓流スターとして広く認知された。

日本でも絶大な人気を誇るスンホンが出演した日本映画が、12月23日(金)にWOWOWシネマにて放送される「ゴースト もういちど抱きしめたい」(2010年)。スンホンを主演に、日本を代表する女優・松嶋菜々子をヒロインに迎えたラブストーリーだ。

辣腕の会社経営者・星野七海は、誕生パーティーの帰り道で陶芸を修業中の韓国人青年キム・ジュノと出会う。やがて2人は恋に落ち、誰もいない教会で結婚式を挙げる。だが出会いから1年後の誕生日、ひったくり犯に襲われた七海は悲運にも命を落としてしまう。ジュノへの心残りからゴーストとなるが、彼にその気持ちを伝えるすべはない。そんな矢先、彼女は自分が殺されたという事実と、ジュノに迫り来る危険を知る...。

経営者として成功している七海は、その生い立ちゆえに素直に人に甘えることができない。彼の誠実さに少しずつ心を開き、可愛らしい素顔や甘えた素振りを見せる。そんな彼女を優しく包み込むジュノ。偽りのない真っ直ぐな愛を注ぐ純朴な青年をスンホンが好演している。

ろくろシーンも話題になった「ゴースト もういちど抱きしめたい」
ろくろシーンも話題になった「ゴースト もういちど抱きしめたい」

(C)2010「ゴ−スト」製作委員会

陶芸に向き合う時の真剣な横顔と穏やかな微笑み、時折少年のようにキラキラと輝かせる瞳のギャップに胸をときめかされる。彼の愛を受けて幸せに穏やかに暮らしていたはずが、幽霊となってしまった七海。幽霊ゆえに触れることもできず声も届かない。真実が分かっているのにままならない...そんな戸惑いや悲哀を松嶋が繊細に演じている。それでも一途に愛を注ぎ、彼を助けるために必死になる姿に胸が痛くなる。そして、愛する女性を亡くした喪失感、悲しみをスンホンが全身で体現。2人のすれ違い、幽霊と分かっていながらも心を通わせるシーンがたまらなく切ない。

2010年頃のスンホンは、約5年ぶりのドラマ復帰作となった「エデンの東」(2008年)も韓国で大ヒットを記録。除隊後の活動だったが、ブランクを感じさせない演技で再注目を集めていた。一方の松嶋も、第2子出産後に2009年のドラマ「救命病棟24時」第4シリーズで本格復帰を果たしたばかりだった。翌年に大ヒットを記録する主演作「家政婦のミタ」(2011年)で再び大きな注目を集めるが、本作でも変わらぬ美しさが輝きを放っている。正統派イケメンと言われる端正な顔立ちに高身長のスンホンと、変わらぬ美貌とスタイルを誇る松嶋の美男美女カップルが、とにかく絵になる。

「ゴースト もういちど抱きしめたい」
「ゴースト もういちど抱きしめたい」

(C)2010「ゴ−スト」製作委員会

パトリック・スウェイジとデミ・ムーアによる「ゴースト ニューヨークの幻」(1990年)をリメイクした本作。日本を舞台に、男女の役割を入れ替えるなど設定も新たに生まれ変わっているほか、ウーピー・ゴールドバーグが演じた物語の鍵を握る霊媒師を名優・樹木希林が演じ、少女のゴーストを演じた芦田愛菜は本作で日本アカデミー賞新人賞を受賞した。

オリジナルでも有名な陶芸のろくろを前にした抱擁も再現され、大きな話題を集めた。原作へのリスペクトを込めながら大人のラブストーリーとなった本作。洗練され円熟味を増したスンホンと松嶋の2人による恋模様は哀しくも美しい。

文=中川菜都美

放送情報

ゴースト もういちど抱きしめたい
放送日時:2022年12月23日(金)19:00〜
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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