2022年に放送され一斉を風靡したアニメ『ブルーロック』。シリーズ初の映画化となる『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』が現在大ヒット公開中。

TVシリーズ第1期では、主人公・潔 世一の視点から "ブルーロック(青い監獄)"での世界一のストライカーを目指す戦いが描かれたが、劇場版は桁外れのサッカーセンスを持つ天才・凪 誠士郎の視点で"ブルーロック(青い監獄)"での戦いを描く。

今回は、玲王に潜在能力を見出され、強引に誘われる形でサッカーを始めた凪 誠士郎を演じている島崎信長(※「崎」は正しくは「たつさき」)にインタビューを行った。特に注目してほしいシーンや憧れるキャラクターなどを聞いた。

凪 誠士郎を演じる島崎信長
凪 誠士郎を演じる島崎信長

――凪 誠士郎が主人公となる『-EPISODE 凪-』の劇場版アニメの制作が決定したときは、どんなお気持ちでしたか?

「素直に嬉しかったですね。実はTVシリーズ第1期の収録中から、『今後も何か展開がありそうだ』という空気は感じていたんです。でも『-EPISODE 凪-』のアニメ化、しかも劇場版というのは正直なところ全然想像していませんでした。だから、そこは嬉しい驚きでしたね。TVシリーズのアフレコでチームVとして戦ってみて、このチームがすごく好きだと思っていたので、もっと掘り下げて描かれることに、すごくワクワクしました」

――では、実際に完成した劇場版をご覧になってみていかがでしたか?

「凪と玲王の出会いのシーンは本編でも描写されていますが、"ブルーロック(青い監獄)"にやってくるまでに何があったのか、2人が普段どんなふうに過ごしていたのかが具体的に描かれるのは、やっぱりいいなと思いました。朝、サボテンのチョキの棘で目覚めるシーンなんかは、インパクトがあってびっくりしましたし。あれを毎日やっているかはわかりませんが、すごい目覚め方なので...(笑)。凪の部屋はモノがなくて、冷蔵庫にはエネルギーチャージのためのゼリー飲料が並んでいますが、そういったところからも凪がどんな人間なのかがよく見えてくるんです。日常風景が描かれることで、より解像度が高くなった凪 誠士郎という人間を、皆さんの中で思い描いていただけるんじゃないかなと。やっぱり、その人間の根っこの部分や日常の姿を知れば知るほど、普段と違う表情にときめいたり、人間ドラマにより深く入り込んだりできると思うんですよ。劇場版では、玲王との学校での生活やバックボーンも描かれているので、2人のことをより深く知ってもらえる導入になっていますし、その絆や関係性をしっかり感じてもらえる作品になっています」

――とくに注目してほしいシーンはありますか?

「たくさんあるんですが、チームVに関していうと、僕は凪・玲王・斬鉄の3人の関係性がとくに好きなんです。すごくいいバランスの3人ですよね。最初はちょっと相性が悪くて、うまく嚙み合わない。斬鉄が玲王を拒絶したり、玲王が斬鉄に対して苛立ちを感じてしまったり...そういったシーンも細かく描写されています。その後、斬鉄と凪が話をして、斬鉄の生い立ちを知った凪が『カッケーじゃん』となるのが、すごくいいんですよね。なんだか青春してるなあって(笑)。そこから斬鉄が『凪が認めているのであれば』と玲王をちゃんと見てみようと考えるようになって、だんだん3人の絆が深まっていく。玲王なんて超仲間想いだから、最終的に斬鉄のことも大好きになるわけですよ。あの3人の出会いから、関係性の変化、絆を深めていく様子が丁寧に描かれているので、ぜひ注目してもらいたいですね」

――今回は、凪の中でサッカーの面白さや悔しさなど、いろんな感情が目覚めていくところが大きな見どころになっていると思います。そんななかで、島﨑さんは凪の持つ"エゴ"について、どんなふうに考えてらっしゃいますか?

「"エゴ"自体は、誰もが持っているものだと思うんです。ただ、それを強く表に出す人、覚悟を持って"エゴ"に向き合える人、抑えちゃう人、隠しちゃう人、目を背けちゃう人など、いろんな向き合い方があるんじゃないかな。凪 誠士郎という人は、これまであまり自分の強い意志や"エゴ"と向き合ってこなかったというか、その実感を持てない人生を送ってきたんですよね。でも"ブルーロック"での出会いを経て、サッカーで強烈な楽しさや悔しさを知って、自分の"エゴ"を実感できるようになった。こんなに気持ちが大きく動く経験も今までなかっただろうから、きっと今の凪は自分の"エゴ"の虜になって、夢中なんじゃないですかね」

――『ブルーロック』には潔と蜂楽など、様々なコンビがいますが、今回は凪と玲王にフォーカスした物語になっています。島﨑さんから見た凪・玲王コンビの魅力について教えてください

「この2人は、これが『ブルーロック』という作品じゃなかったら、もっとスムーズに先へ進めたのかもしれないなと思います。だって、パズルのピースが噛み合ったというか、出会うべくして出会ったような2人じゃないですか。スーパープレーヤーの2人が夢に向かって邁進して、勝利を積み重ねて、負けることがあっても2人で上を目指すというのが王道のストーリーだと思うんですが、『ブルーロック』だとそうはいかない(笑)。1人しか勝ち残れない環境ですし、その前の段階だってままならないことだらけですよね。例えば、凪がサッカーに興味を持ったきっかけは間違いなく玲王ですが、自分の"エゴ"を自覚して夢中になっていくきっかけは、潔 世一だったわけです。さらに凪は、より強くなるために、玲王じゃなく潔と行動する。コンビとしては、ままならないことばっかりなんですよね」

――ちなみに、ご自身に似ている、もしくは憧れるキャラクターはいますか?

「似ているかはわからないんですが、(糸師)凛がすごく好きですね。目標に向かって自分ができることを全部やり尽くして、常に最善を目指して努力を積み重ねているところが好きなんです。"ブルーロック"に入ってから本気になった人と、もっと前から本気でトップレベルの努力をし続けている人とでは、やっぱり違う。昔からずっと本気でやっている人が、強くない訳がないんです。作中でも一貫して強いプレーヤーとして描かれていますし、絵心さんが話すスーパープレーの方程式や、運のメカニズムにも、凛は当てはまっている。僕は『急に頑張ったからってそんなには...』と思っちゃうタイプなので、ちゃんと努力をし続けている人は素敵だなと感じますね」

――最後に、『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』をこれからご覧になる方に向けて、メッセージをお願いします

「原作やアニメで『ブルーロック』にすでに触れている方にとっては、間違いなく楽しいポイントがあふれている作品だと思います。まずは素直に楽しんでいただいて、もし『また観たい!』と思っていただけたなら、2回目は潔 世一の視点で描かれている原作やTVシリーズと、今回の凪 誠士郎の視点で描かれている『-EPISODE 凪-』の違いにぜひ注目してみてください。凪の視点なので、彼の日常や心情が描かれているのはもちろんですが、同じ試合の同じプレーであっても、視点が違うだけで演出も大きく変わっているんです。僕らの芝居もTVシリーズとは変えている部分がありますし、そこの差異も意識してもらえたら、新たな楽しみが見つかると思います。

僕は『ブルーロック』の最大の魅力は、キャッチーな設定や映えるシナリオの中で、しっかり個々のキャラクターの人間味を描いているところだと感じていて。今回は凪 誠士郎と御影玲王という2人の関係性に焦点を当てた作品なので、まだ『ブルーロック』をよく知らない方でも、きっとその人間ドラマを楽しんでもらえると思います。劇場版という限られた尺の中で、2人の才能あふれる原石が出会って、サッカーを始めて、"ブルーロック"というトンデモ施設に招集されて、びっくりするようなことが起きる過程を、また新たに描いていますから。サッカーのルールがわからなくても大丈夫です。そして、劇場版で興味をもってもらえたら、ぜひ他の『ブルーロック』の作品群も手に取ってほしいですね。そうすることで、『-EPISODE 凪-』もさらに深く楽しめると思います!」

文=HOMINIS編集部

公開情報

「劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-」
大ヒット上映中!
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会

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