平成30年7月豪雨の発災をきっかけに、「倉書プロジェクト」と称し、書を通じての復興活動・メッセージの発信活動を行なっている倉敷商業高等学校書道部。「今を生きる」「明日へ」「願い」の3部作は、被災者はもちろん多くの倉敷市民に力を与えてくれました。

しかし災害から3年経過し、この3部作を見てきた生徒も2021年3月で卒業。4年目に入った倉書プロジェクトは、世代交代を迎えました。2021年度の書道部3年生が、作品のキーメッセージに掲げたのは「繋」。作品は2021年7月9日から23日まで、再オープンしたばかりの「マービーふれあいセンター」で展示されたため、その様子をお伝えします。

書を通じての復興・メッセージの発信を

岡山県立倉敷商業高等学校(以降、倉商)書道部は、「書は人なり」を活動目標に、部活動を通じて一人一人が成長し充実した高校生活を送れるように活動しています。2021年7月現在の部員数は45名(1年13名、2年16名、3年16名)。以下のような書にまつわる、さまざまな活動を行なっています。

・国際高校生選抜書展(書の甲子園)
・イオンモールカップ高等学校書道パフォーマンスグランプリ
・書を通じた社会貢献活動「倉書プロジェクト」

2020年度は書道パフォーマンスグランプリが中止になるなど、例年通りの活動ができませんでしたが、2021年度は制限があるものの、大会などは徐々に再開してきています。

倉商書道部は、平成30年7月豪雨の発災をきっかけに、書を通じての復興活動・メッセージの発信活動を「倉書プロジェクト」と称して取り組んでいます。

「今を生きる」「明日へ」「願い」の3部作は多くの倉敷市民に力を与えたと思います。筆者も3部作に力を与えられた一人です。

しかし、倉書プロジェクトの始まりを知る生徒も2021年3月に卒業。世代交代となったのが、2021年度です。

2021年度の作品は「繋」

2021年度の作品は「繋」となりました。文言は、3年生の部員16名で話し合って決め、全員で制作したそうです。文言を転載します。

【作品の文言】

語り合おうあの日のことを
伝えようあの日のことを
忘れてはいけない
大切な思い出を失い
孤独と向き合った日々を
あの日刻まれた記憶は
未来のためのメッセージ
心と心を繋ぎ故郷への想い
私たちが受け継いでいく

キーメッセージとなる「繋」には、2つの意味が込められているそうです。1つ目は、部員の考える「繋」のイメージ。「記憶・命・想い・人・心・後世」です。2つ目は、倉商書道部として自分たちが「倉書プロジェクト」を受け継いでいくんだという決意。

新型コロナウイルス感染症のため、書道パフォーマンスはもちろん、部活動そのものが制限されている状況で、取材対応も不慣れななか一生懸命説明しているのが印象的でした。

「繋」は2021年7月9日〜23日はマービーふれあいセンターで展示され、2021年7月30日〜8月31日は倉敷駅地下ギャラリーで展示されることが決まっています。

おわりに

平成30年7月豪雨から3年。取材を行なった2021年7月9日の天気は「雨」で、雷が鳴り雨足も強く、どこか落ち着かない感じでした。

3年という月日は意外と長く、キレイになってきた街を見て安心して「もういいでしょ」というも人もいれば、「復興はまだまだ先」という人もいます。3年間の歩みはそれぞれで、倉商書道部はもちろん、生徒それぞれにとっても同じことがいえるでしょう。

何を「繋ぐ」のか?
それを考え続けるのが、今を生きる私たちの責任なのかもしれません。

倉敷とことこ