昭和に流行った玩具と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。多くの流行が生まれましたが、その中の1つに「超合金」があります。1974年にポピーから発売された超合金マジンガーZ(現在はBANDAI SPIRITSの管轄商品)をきっかけに、1980年にかけて大ブームとなりました。超合金に造詣が深い小材直由さんに、興味を持ったきっかけをはじめ、その魅力や面白さについて聞きました。

子ども時代に流行ったカッコいいロボットたちに魅せられた

1969年生まれの小材さんは、ちょうど超合金が流行した1970年代に子ども時代を過ごしました。当時、流行していたロボットキャラクターとして、人気だったのが超合金でできたもの。
「その重量感と精密さ、ミサイル発射や変形・合体などのギミックは当時、子どもながら感動していました。超合金は高価で、誕生日やクリスマスでないと買ってもらえないものでした」と当時を振り返ります。

その後、学生時代はアニメ好きで、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)などのキャラクターものを収集するように。小材さんが大学生の頃には駄玩具(駄菓子屋に置かれている安価な玩具)・ソフビ(ソフト塩化ビニール製の中身が空洞になっているフィギュア)・プラモデル・ブリキなどを収集するようになりました。もちろん、超合金も収集しますが、思い入れがあり、箱から出さずに大事に保管していたそうです。

現在も、BANDAI SPIRITSが「超合金魂」シリーズとして出しており、小材さんが大人になってから再び興味を持つきっかけとなったのが1997年に発売された超合金魂の第一号「マジンガーZ」。当時27歳ごろだったと言います。
その後、雑誌「ホビージャパン」や雑誌「フィギュア王」に記事が掲載されただけでなく、TV番組の特集でダイキャスト玩具を取り上げる際に解説・出演。
TV番組で超合金鑑定の手伝いをするようになり、自分でも勉強するようになりました。この時期から、超合金のコレクターとして、更に収集を始め、今では3000体を超えるコレクションとなりました。

強さとカッコよさを持っている超合金

超合金の魅力について、小材さんは「小柄ながら材料に亜鉛合金を使っており、持った時のずっしりした重量感とミサイル発射ギミックや変形・合体ギミックなど、アニメ番組の設定をそのまま再現できることが魅力」と話します。

また、合金玩具のため、多少の衝撃にも耐えうる頑丈さもあり、子ども心に「強さとカッコよさ」が頭に焼き付いていたそうです。

ブームが盛り上がった1970年代後半は、男の子にとって誕生日やクリスマスのプレゼントの定番が超合金のロボットたち。当時は、20数社から合金玩具が発売されており、ダイキャスト製キャラクター玩具として子ども向けキャラクターのほとんどが合金玩具として発売されていました。

超合金をはじめとした合金玩具は、1個ずつ丁寧な手作業で作られます。シールや部品接着も作った人の味が出ており、この味も魅力です。

そして、中古市場の取引で価格が高騰していることも魅力の1つ。1974年に発売された超合金マジンガーZの箱付きは、150万円以上の相場(当時の販売価格は1,300円)になることもあるんだとか。小材さんは、日本製の合金玩具に付加価値がついていることと、今では作れない技術や世界に誇る日本のアニメーションや特撮が世界に評価されている証拠だと考えています。

コレクションの中で、小材さんが特に気に入っているのは、マジンガーZ、グレートマジンガー、グレンダイザー。中でもマジンガーZは最初期のものからすべてコレクションしています。

昭和玩具を後世に残していきたい理由

小材さんによると「昭和時代に発売された玩具は、当時商標登録などがしっかりされておらず、箱のイラストと中身が違ったり、尖った部品や重い部品が使われたりしていました。しかし、当時はこれがカッコよくて、子どもにとって魅力だった」と話します。
現在は、安全第一で硬い素材の玩具は少数派です。
また、ロボットアニメは昭和の象徴。「機動戦士ガンダム」などは日本だけでなく世界でも大人気です。
「超合金は重くて今の子どもは驚きますよ。とても遊べないと思います」と懐かしむように話してくれました。

小材さんは、昭和玩具の中でも日本製は1995年を境にほぼ海外製になっており、日本製の玩具は、文化遺産だと考えています。

そして、超合金を後世に残したいと考え2020年に作ったのが「超合金鑑定室」。
「将来は博物館のように、キャラクターの歴史と共に玩具を展示したい」
熱く語る様子から、小材さんの超合金に対する深い愛情を感じました。

葉月智世