空知の奈井江町の猟友会が報酬が低いことなどを理由にクマの駆除に参加しない方針を示している問題。後志の島牧村でもかつてハンターの報酬を巡り猟友会が出動しない事態となりました。島牧村のその後を取材しました。

北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人 部会長)

「高校生のコンビニのバイトみたいな金額でやれ。ハンター馬鹿にしてない?って話ですよ」。

猟友会の奈井江部会トップの山岸辰人さん。メンバーらと話し合い、クマの駆除などを行うチームに参加しないことを町に伝えました。理由のひとつが出動した際の報酬額。町から提示された日当は8500円で、発砲した場合は1万300円でした。

北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人 部会長)

「やっぱりヒグマは相手が違う。この条件ではちょっとやっていられない」。

道内ではかつて別の町でもハンターの報酬を巡る問題が起きていました。

北海道猟友会寿都支部島牧分会 花田雄二さん)

「私たちとしてはその金額では納得できないので、私たちは出ることができませんっていうのが2年ぐらい続いたんです」。

2018年の夏、島牧村ではクマが連日出没し被害が相次ぎました。発砲許可が下りず事態は長期化…夜間の出動も重なりおよそ2か月間で猟友会の報酬は1000万円を超えました。村議会は報酬が高額すぎると上限を240万円とする条例を可決。これに反発した猟友会は村への協力をやめました。

北海道猟友会寿都支部島牧分会 花田雄二さん)

「やっぱり危険を伴うので対峙するわけですからある程度の報酬がないとそれは向かっていく気にはなりませんよね。捕獲した後も捕獲した獲物を私たちが全部運んで解体して捨てる前までそれまでは全部猟友会の会員がやるので」。

その後、再び上限が撤廃され協力を再開した猟友会。報酬は毎年見直されることになり、今年度は8時間の出動で2万6900円が支払われることになっています。今回問題になっている奈井江町の提示額は半額以下の最大1万300円。この金額について花田さんは…

北海道猟友会寿都支部島牧分会 花田雄二さん)

「低すぎます。命を張っているので。低すぎます。絶対出ません。(自分が)その金額で

出てくださいっ言われて命張って出ます?っていう話だと思うんですよね」」

自治体によって異なるハンターへの報酬額。役場の担当者もどの金額が妥当なのか頭を悩ませているといいます。

島牧村役場企画産業課 栗田翔 主幹)

「国や道で基準みたいなのを作っていただいて、参考になる単価というのを出していただけると行政側からするととても助かります」

HTBの取材に対し「猟友会と改めて話し合いをしたい」とコメントした奈井江町。しかし、猟友会の山岸さんによりますとその後、町からの連絡は何もないということです。