紋別市で行われている将棋の「名人戦」七番勝負第5局。藤井聡太八冠にとっては最北の地での対局となり、オホーツクならではの勝負めしやスイーツなど紋別の街は大いに盛り上がっています。

「封じ手は2四歩」。藤井聡太八冠対豊島将之九段の「名人戦」七番勝負第5局。

今回の舞台は、カニが特産品の紋別市です。対局を前に25日、紋別のシンボル「カニの爪」の前に登場した2人。記者から「カニポーズ」を促されると、「Vサイン」で笑顔を見せてくれました。

さらに、餌やり体験が人気の「アザラシシーパラダイス」も訪れた2人。藤井八冠が手を回すと、アザラシの日和ちゃんもくるくると回ります。日和ちゃんの癒しパワーで、対局に向けた緊張感もほぐれたようです。

藤井八冠:「2日間集中して、皆さまに最後まで楽しんでいただけるような熱戦にしたい」。

「名人戦」七番勝負は、ここまで藤井八冠の3勝1敗。この対局に勝利すれば、初の「名人」防衛となります。そんな中で、注目が集まるのは紋別ならではの勝負めし。

藤井八冠:「対局時の食事やおやつなどを市内の店から提供いただけるということで、楽しみにしている」。

1日目の午前のおやつに選んだのは。

富永誌衣那記者:「ありました。お店を入ってすぐのところに、今回選ばれたどら焼きがあります。紋太くんがたくさん並んでいるようで、かわいいですね」。

紋別市民に60年以上愛されている「高砂屋菓子舗」。今回選ばれたのは、オホーツク産の小麦を使った生地に、紋別のキャラクター「紋太くん」の焼き印が入った「紋太くん塩バターどら焼き」です。

富永記者:「名人戦のために特別に作られたどら焼き。中に入っているバターの塩気が、甘さを引き立てています」。

高砂屋菓子舗・渡邊孝博代表:「藤井さんが塩バターが好きだと聞いたので、加えた。きょうは朝からお客さまが結構来ている」。

そして気になる勝負めしは、オホーツクの海の幸をふんだんに使った「海鮮りん食堂」の「紋別産ずわい蟹いくら重」。

富永記者:「ご飯の上に、カニとイクラがもうご飯が見えないくらいまで、ぜいたくにのせられています。カニのうまみがギュッと凝縮されていて、イクラも大粒。すごくおいしい」。

海鮮りん食堂・林明代表:「気にはなってたけど、(選ばれて)とにかくびっくりした。

(藤井八冠が)4連勝して(紋別に)来ないんじゃないかと、半分以上諦めていました。来ることになって、豊島さん頑張ったんだなと、豊島さんありがとうという気持ちで、みんなそうだと思う、紋別市民は」。

そして27日、藤井八冠の封じ手開封から2日目が始まりました。

富永記者:「大盤解説会の会場では、多くの将棋ファンが集まっていて、真剣な表情で戦況を見守っています」。

会場のホテルオホーツクパレスには、およそ200人が集結。

網走からの観客:「(藤井八冠は)すごいかっこいい。憧れの存在。ここにいるだけでも緊張する」。

そのホテルのレストランで作られたスイーツを、藤井八冠は午前のおやつに選びました。

その名も「アザラシのお昼寝シフォン」。米粉のシフォンにクリームチーズや生クリーム、さらに、ごま風味のアザラシクッキーが添えられています。対局で脳がフル回転する中、このアザラシクッキーが藤井八冠に癒しをもたらしたのかもしれません。

藤井八冠が勝利すれば、「名人」初防衛に。第5局の勝敗は、27日夜にも決まる見通しです。