2023年12月に公開された、ティモシー・シャラメ主演の映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のポスター

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ウィリー・ウォンカの魔法にかかった、ポップアートのようなチョコレートの世界を体験できるーーはずだった。

イギリス・スコットランドで開催された、ファンタジー小説『チョコレート工場の秘密』と映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』をテーマにしたイベントに非難が殺到し、中止に追い込まれる事態になった。会場に足を踏み入れた人たちはクオリティーの低さに言葉を失い、泣き出す子どもたちが続出した。

英ガーディアンによると、問題が起きたのは2月24日。『ウィリーズ・チョコレート・エクスペリエンス』という体験型を売りにしたイベントがグラスゴーで開かれた。

イベントの公式サイトは「チョコレートの夢が現実になる場所」とうたい、「巨大なキノコやキャンディー」「チョコレートの噴水」「特別なオーディオとビジュアル効果」「ウォンカのチョコレート工場で働くウンパルンパのダンス」を楽しむことができると紹介していた。チケットは1枚35ポンド、日本円にすると約6500円という価格設定だった。

『チョコレート工場の秘密』は、イギリスの作家ロアルド・ダールによる児童小説。少年のチャーリーがウィリー・ウォンカが経営するチョコレート工場に招待してもらえる黄金切符を手に入れ、奇想天外な世界にいざなわれるというストーリーだ。『夢のチョコレート工場』(1971年)や『チャーリーとチョコレート工場』(2005年)と映画化され、2023年にはウォンカの若き日を描いた映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』が日本でも公開されるなど、世界中で親しまれている作品だ。

しかし、夢のようなチョコレートの世界に「没入型体験」できることを期待して、イベントを訪れた親子らを待っていたのは、目を疑うほどのお粗末な会場だった。

会場の様子について、ある親は英インディペンデントの取材に「ミニ迷路は大きすぎる小道具を無秩序に置いてつくってあった、『キャンディー・ステーション』では子ども1人にたった1粒のジェリービーンズしか配られなかった、銀色のマスクをしたキャラクターが怖すぎて大勢の子どもが泣き出した」と話している。

写真:イベントのイメージ(左)と実際のイベント会場(右)

STVニュースが公開した動画には、がらんとした倉庫のような空間に、プラスチックの小道具やベンチがぽつんぽつんと置かれた会場の様子が映っている。

来場者たちの怒りが収まらず、警察が出動する事態に発展し、イベントは開始から数時間で中止に追い込まれたという。

主催者に雇われた人たちも怒りの声を上げている。ウンパルンパを演じた人物は「15ページの台本を渡されたのはイベント開催の前夜だった。開場の1時間前に渡された衣装はセクシーさたっぷりで、びっくりした。ウィッグはとても安っぽくて、その日の朝に届いたと思われるアマゾンの箱に入っていた」と地元紙スコッツマンに語っている。

この問題を受け、イベントを主催したハウス・オブ・イルミナティは「イベントは失敗だった」と認め、当面はイベント企画を控えるとしている。チケット購入者には全額返金するという。